RIGOL DSA875 スペクトラムアナライザからLabVIEWでデータ取得
RIGOL DSA875 スペクトラムアナライザからLabVIEWプログラムを使って、データを取得した方法を紹介します。
RIGOL DSA875 スペクトラムアナライザ
製品概要
RIGOL DSA875 スペクトラムアナライザは、RIGOL社製DSA800シリーズのスペクトラムアナライザです。
![RIGOL DSA875](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/rigol-spectrum-analyzer-dsa875.jpg?resize=768%2C421&ssl=1)
型名 | DSA875 |
周波数帯域 | 9kHz~7.5GHz |
分解能帯域幅 | 10Hz~1MHz |
位相ノイズ | -98dBc/Hz@10kHz |
表示平均ノイズレベル | -161dBm/Hz |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 362×128×179mm |
プログラミング・マニュアル
RIGOL DSA800 スペクトラムアナライザのプログラミング・マニュアル(英語)がRIGOL社のサポートページよりダウンロードできます。
RIGOL社WEBサイト サポートページ
https://jp.rigol.com/Jp/Index/listView/catid/27/tp/4/cat/7/xl/18/wd/
![プログラミング・マニュアル](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_01.png?resize=300%2C287&ssl=1)
LabVIEWドライバインストール
NIから提供されているRIGOL社対応のLabVIEWドライバをインストールします。
RIGOL DSA875に対応するLabVIEWドライバは提供されていないため、RIGOL社スペクトラムアナライザDSA815のドライバを使用します。
NIのWEBサイトからダウンロードする場合
NI WEBサイト 計測器ドライバネットワーク (IDNet)ページ
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/instrument-drivers.html
「RIGOL DSA800」で検索して、モデルの項目で「DSA815」をクリック、表示されたページでLabVIEWの項目の「Go To Driver Page」ボタンをクリックすると以下のページが表示されます。
![NIのWEBサイトからダウンロードする場合](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_02.png?resize=861%2C830&ssl=1)
使用するLabVIEWのバージョンに合わせて、ドライバをダウンロードします。
LabVIEW2021までが提供されています。ダウンロード後にコンパイルすればLabVIEW2021以降のLabVIEWでも使用できます。
このLabVIEWドライバを使用するには、LabVIEWとNI-VISA 5.4以降が必要です。
![RIGOL DSA800](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_03.png?resize=654%2C257&ssl=1)
Download Driver Nowボタンを押して、「rigol_dsa800_series.zip」をダウンロードします。
ZIPファイル解凍して、ドライバVIを使用しています。
![rigol_dsa800_series.zip](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_04.png?resize=386%2C327&ssl=1)
LabVIEWからインストールする場合
LabVIEWの画面で、ヘルプ→NI計測ドライバを検索で、製造元に「Rigol Technologies」を選択して検索を実行します。
※表示されるのはLabVIEW2021までのバージョンです。
![LabVIEWからインストールする場合](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-mso7054-labview_04.png?resize=515%2C368&ssl=1)
RIGOL DSA875のLabVIEWドライバはないため、DSAA800のドライバ「rgds a8xx Instrument Driver」をダウンロードします。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_05.png?resize=785%2C561&ssl=1)
インストールするとLabVIEWの関数パレットに「RIGOL DSA800 Series」が表示されるようになります。
![RIGOL DSA800 Series](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_06.png?resize=1024%2C345&ssl=1)
インストール先は、LabVIEW2021の場合「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW 2021\instr.lib\RIGOL DSA800 Series\」です。
LabVIEW2021以降でLabVIEWの関数パレットに表示させる場合、NIのWEBサイトからダウンロードした「RIGOL DSA800 Series」を「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW (使用するLabVIEWのバージョン)\instr.lib\」に入れます。
RIGOL DS800 Series
RIGOL DS800 Seriesは、RIGOL DS815と通信を制御するVIです。VISA関数でコマンドを送受信します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_07.png?resize=951%2C582&ssl=1)
RIGOL DSA875用にVI修正
RIGOL DSA800 Seriesは、RIGOL DSA815用のLabVIEWドライバのため、そのままRIGOL DSA875で使用するとエラーが発生してデータを取得できずに終了します。
RIGOL DSA875に合わせてVIを修正します。
サンプル RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi
基にするサンプルVIを「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」開きます。
※RIGOL DSA800 Seriesをコピーして、バックアップしてから始めてください。
![RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_08.png?resize=885%2C488&ssl=1)
![RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_09.png?resize=1024%2C473&ssl=1)
RIGOL DSA800 Seriesフォルダ内のExamples→「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」を開きます。
また、LabVIEW画面からヘルプ→「サンプルを検索」で開いたNIサンプルフォルダ画面にて、「RIGOL」でキーワード検索を行い、表示される一覧から「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」を開きます。
![サンプル RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_10.png?resize=814%2C569&ssl=1)
Initialize.vi
計測器確認部分を修正
DSA815との接続、接続されている計測器の確認、計測器のリセットを実行するVIです。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_11-1.png?resize=714%2C329&ssl=1)
「*IDN?」コマンドの応答で計測器を確認する部分を「Rigol Technologies,DSA875,」に変更、または、[第一文字列で一致]関数で「Rigol Technologies,DSA875,」を検索するようにします。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_13.png?resize=798%2C236&ssl=1)
クリア関数を無効
VISA接続後にあるクリア(CLR)関数で不具合が起こることがあるので、クリア関数は無効にします。
![クリア関数を無効](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_14.png?resize=889%2C332&ssl=1)
![クリア関数を無効](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_15.png?resize=797%2C146&ssl=1)
Fetch Trace.vi
X軸(周波数)の開始と終了の値を取得、スペクトラムアナライザの画面上のデータを取得、取得したX軸値とデータ数からXスケール値を出力するVIです。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_16.png?resize=1024%2C225&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_17.png?resize=820%2C400&ssl=1)
データブロックヘッダ部分の分別
[:FORM ASC;:TRAC? TRACE%d;]コマンドで読み込んだ値は、「データブロックヘッダー(11文字)+データブロック」となります。データブロックヘッダーの形式は「#9(2文字)+データのバイト数(9文字)+区切りスペース(1文字)」となります
![データブロックヘッダ部分の分別](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_18.png?resize=484%2C404&ssl=1)
データブロックヘッダ部分とデータブロックを分割します。
[パターンで一致]関数を使ってスペースで分割、または、最初の12文字を抜き出すようにします。
![データブロックヘッダ部分とデータブロックを分割](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_19.png?resize=394%2C281&ssl=1)
スケール値の調整
スケール値を合わせるため、X軸スケール値で割るポイント数を-1します。
![スケール値の調整](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_20.png?resize=581%2C281&ssl=1)
これで修正は完了です。
データ取得テスト
LabVIEWを実行して、DSA875スペクトラムアナライザからデータを取得します。
測定準備
DSA875のINPUTに波形を入力します。
![データ取得テスト](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_21.png?resize=1024%2C585&ssl=1)
LabVIEW実行
LabVIEWを実行します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_22.png?resize=885%2C489&ssl=1)
実行するとDSA875から取得したデータがグラフに表示されます。DSA875の画面と同様のグラフが表示されることを確認しました。
![LabVIEWのグラフ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_24.png?resize=437%2C320&ssl=1)
![DSA875の画面キャプチャ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_23.png?resize=800%2C480&ssl=1)
LabVIEWで設定を変更すると、DSA875の設定が変更され、LabVIEW画面のグラフも連動して変わることが確認できました。
Start Frequency:9kHz、Stop Frequency:7.5GHzで実行した結果
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_25.png?resize=885%2C489&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_26.png?resize=800%2C482&ssl=1)
RIGOL DSA875スペクトラムアナライザからLabVIEWプログラムを使って、データを取得することが出来ました。