LabVIEWでRIGOL DSA815 スペクトラム・アナライザからデータ取得
LabVIEWプログラムを使ってRIGOL DSA815 スペクトラム・アナライザから、データを取得する方法を紹介します。
RIGOL DSA815 スペクトラム・アナライザ
製品概要
RIGOL DSA815 スペクトラムアナライザは、RIGOL社製DSA800シリーズのスペクトラムアナライザです。
![RIGOL DSA815 スペクトラム・アナライザ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/rigol-dsa815.png?resize=600%2C308&ssl=1)
型名 | DSA815 |
周波数帯域 | 9kHz~1.5GHz |
分解能帯域幅(RBW) | 10Hz~1MHz |
位相ノイズ | -80dBc/Hz@10kHz |
表示平均ノイズレベル | -155dBm/Hz |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 362×128×179mm |
プログラミング・マニュアル
RIGOL DSA800 スペクトラムアナライザのプログラミング・マニュアル(英語)がRIGOL社のサポートページよりダウンロードできます。
RIGOL社WEBサイト サポートページ
https://jp.rigol.com/Jp/Index/listView/catid/27/tp/4/cat/7/xl/18/wd/
![プログラミング・マニュアル](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_01.png?resize=300%2C287&ssl=1)
DSA800E_ProgrammingGuide_EN.pdf
LabVIEWドライバインストール
NIから提供されているRIGOL社対応のLabVIEWドライバをインストールします。
LabVIEWドライバ「RIGOL DSA800 Series」を使用するには、LabVIEWとNI-VISA 5.4以降が必要です。
LabVIEWからインストールする場合
LabVIEWの画面で、ヘルプ→NI計測ドライバを検索で、NI計測器ドライバファインダ画面が表示されます。
RIGOL DSA815をPCに接続した状態で、[計測器をスキャン]を押すと、[接続された計測器]に「DSA815」が表示されます。「DSA815」の表示をクリックすると、[製造元]に「Rigol Technologies」、[追加キーワード]に「DSA815」が入力された状態となります。
検索ボタンを押すと、RIGOL DSA815のドライバが検索されます。
または、[製造元]に「Rigol Technologies」を選択して、[追加キーワード]に「DSA815」を直接入力して検索ボタンを押します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_01.png?resize=711%2C508&ssl=1)
DSAA800のドライバ「rgds a8xx Instrument Driver」をダウンロードします。
![「rgds a8xx Instrument Driver」](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_02.png?resize=785%2C561&ssl=1)
インストールするとLabVIEWの関数パレットに「RIGOL DSA800 Series」が表示されるようになります。
![RIGOL DSA800 Series](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_06.png?resize=1024%2C345&ssl=1)
インストール先は、LabVIEW2023(32ビット)の場合「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW 2023\instr.lib\RIGOL DSA800 Series\」です。
NIのWEBサイトからダウンロードする場合
NI WEBサイト 計測器ドライバネットワーク (IDNet)ページ
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/instrument-drivers.html
「RIGOL DSA800」で検索して、モデルの項目で「DSA815」をクリック、表示されたページでLabVIEWの項目の「Go To Driver Page」ボタンをクリックすると以下のページが表示されます。
![NIのWEBサイトからダウンロードする場合](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_02.png?resize=861%2C830&ssl=1)
使用するLabVIEWのバージョンに合わせて、ドライバをダウンロードします。
LabVIEW2021までが提供されています。ダウンロード後にコンパイルすればLabVIEW2021以降のLabVIEWでも使用できます。
![RIGOL DSA800](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_03.png?resize=654%2C257&ssl=1)
Download Driver Nowボタンを押して、「rigol_dsa800_series.zip」をダウンロードします。
ZIPファイル解凍して、ドライバVIを使用しています。
![rigol_dsa800_series.zip](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_04.png?resize=386%2C327&ssl=1)
LabVIEWの関数パレットに「RIGOL DSA800 Series」を表示させる場合、NIのWEBサイトからダウンロードした「RIGOL DSA800 Series」のフォルダを「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW (使用するLabVIEWのバージョン)\instr.lib\」(LabVIEW 32ビットの場合)に入れます。
RIGOL DS800 Series
RIGOL DS800 Seriesは、RIGOL DS815と通信を制御するVIです。VISA関数でコマンドを送受信します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_07.png?resize=951%2C582&ssl=1)
RIGOL DS800 Series修正
ダウンロードした「RIGOL DS800 Series」には、不足部分があるので修正を行います。
サンプル RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi
基にするサンプルVI「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」を開きます。
![RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_08.png?resize=885%2C488&ssl=1)
![RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_09.png?resize=1024%2C473&ssl=1)
RIGOL DSA800 Seriesフォルダ内のExamples→「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」を開きます。
また、LabVIEW画面からヘルプ→「サンプルを検索」で開いたNIサンプルフォルダ画面にて、「RIGOL」でキーワード検索を行い、表示される一覧から「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」を開きます。
![サンプル RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_10.png?resize=814%2C569&ssl=1)
Fetch Trace.viを修正
修正の対象は、「Fetch Trace.vi」です。
X軸(周波数)の開始と終了の値を取得、スペクトラムアナライザの画面上のデータを取得、取得したX軸値とデータ数からXスケール値を出力するVIです。
「Fetch Trace.vi」は、「…\RIGOL DSA800 Series\Public\Data\Low Level\Fetch Trace.vi」のパスにあります。
または、「RIGOL DSA800 Series Acquire Trace.vi」のブロックダイアグラムから「Read Trace.vi」→「Fetch Trace.vi」をクリックして開きます。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_16.png?resize=1024%2C225&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_17.png?resize=820%2C400&ssl=1)
コマンド「:FORM ASC;:TRAC? TRACE%d;」で取得したデータを数値に変換している部分を修正します。
データブロックヘッダ部分の分別
[:FORM ASC;:TRAC? TRACE%d;]コマンドで読み込んだ値は、「データブロックヘッダー(11文字)+データブロック」となります。データブロックヘッダーの形式は「#9(2文字)+データのバイト数(9文字)+区切りスペース(1文字)」となります。(DSA800Eシリーズプログラミングマニュアル P204参照)
![データブロックヘッダ部分の分別](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_03.png?resize=987%2C448&ssl=1)
データブロックヘッダ部分とデータブロックを分割します。
[パターンで一致]関数を使ってスペースで分割、または、最初の12文字を抜き出すようにします。
![データブロックヘッダ部分とデータブロックを分割](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_19.png?resize=394%2C281&ssl=1)
スケール値の調整
スケール値を合わせるため、X軸スケール値で割るポイント数を-1します。
![スケール値の調整](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa875-labview_20.png?resize=581%2C281&ssl=1)
これでVI修正は完了です。
補足
データの取得に関わりませんが、LabVIEW画面とスペクトラムアナライザ画面の数値表示に合わせて、Gギガ、Mメガの表示にするには、右クリック→[表示形式]で表示される画面で、タイプを「自動フォーマット」から「SI表記」に変えます。
![SI表記](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_05.png?resize=707%2C214&ssl=1)
データ取得テスト
LabVIEWを実行して、DSA815スペクトラムアナライザからデータを取得します。
測定準備
DSA815のINPUTに波形を入力します。
![DSA815スペクトラムアナライザ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_04.png?resize=1024%2C543&ssl=1)
LabVIEW実行
LabVIEWを実行します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_06.png?resize=885%2C488&ssl=1)
実行するとDSA815から取得したデータがグラフに表示されます。DSA875の画面と同様のグラフが表示されることを確認しました。
![LabVIEWのグラフ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_07-1.png?resize=439%2C320&ssl=1)
![DSA815の画面キャプチャ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/tec-rigol-dsa815-labview_08.png?resize=800%2C480&ssl=1)
LabVIEWプログラムを使って、RIGOL DSA815スペクトラム・アナライザからデータを取得することが出来ました。