自動車生産現場における検査システムの短期間・低コスト開発

汎用ファンクションテスタに代わるECU検査ライン

クライアント名・業種:自動車開発メーカー 様

導入システム・製品:ECU検査ライン

ご依頼の背景

自動車業界のテクノロジーが急速に発展する中、生産現場にもその波力当甲し寄せています。開発部門と同様、生産現場もニーズに合わせて進化を遂げなければならない-というのが現状です。本件はこうした背景の中、従来の高価な汎用ファンクションテスタに代わるソリューションとして、NI TestStandを採用したECU検査ラインの開発を行った事例です。

ECU検査ライン

導入前の課題と当社から提供したソリューション

最優先事項だった短期間の開発をクリア

短期間の開発

課題

従来、本件の規模であれば開発までの納期は2ヶ月が妥当でしたが、今回は約半分の1ヶ月が目標となりました。NI TestStandを利用した作業効率化により、期間の短縮が必須の条件となっていました。

ソリューション

NI TestStandには、テストシステムに必要な機能の汎用部分が7割、あらかじめ用意されています。そのため、順にテストを実行し、検査規格の設定・編集、結果の保存といった機能の作成が不要になり、測定部分のプログラミングに専念できました。

容易なメンテナンス性を実現

メンテナンス性

課題

インテグレ一夕開発における懸念のひとつに、納品後のメンテナンスが挙げられます。改造・変更が容易でなくては、仕様変更に伴う対応に遅れが出てしまうからです。開発時には、その容易性を実現しなくてはなりません。

ソリューション

入力の設定と制御はECUで、ECUからの出力測定はLabVIEWで作成しモジュール化を実現しました。個々の検査プログラムがシンプルなモジュールの構成となり、改造・変更などのプログラムを容易にメンテナンスできるよう設計を行いました。

NI社製品とNI TestStandによるコストダウン

コストダウン

課題

汎用ファンクションテスタは一般的に高価であり、新規導入や追加購入が難しい企業も多いのが現状です。代替品としての強みを出すためには、コストを最小限に抑え、低価格化を実現する必要がありました。

ソリューション

NI社製品を使用することによるコストダウンと、NI Teststandによる工数の50%カットで大幅な低価格化を実現しました。また、個々のテストモジュールは再利用が可能なため、次回はさらに納期・コスト削減が期待できます。

 

導入効果のまとめ

短期間の開発を達成

トータルコストを50%削減

増設ラインのリピートを獲得

従来の汎用試験システムは高価であり、開発には2カ月という長い期間が必要でした。今回当社で開発したECU検費ラインのシステムは、NI社製品の採用やNI TestStandを活用することで費用・納期をともに大幅カット。最終的に50%のコストダウンを実現しています。これが評価値され、その後の新製品2種類に対応した増設ラインをリピートでご注文いただきました。

システム概要

  • PCI–GPIB:GPIB
  • PCI–DI096:汎用DIO 2枚
  • PCI–6527 絶縁DIO
  • PCI–6703:アナログ出力 2枚
  • PCI–6602:カウンタ/タイマ
  • DM3100(グラフテック):アナログ測定
  • PDS20–18(ケンウッド):電源
  • R6243(アドバンテスト):電源
  • オリジナル製作品:信号変換部

備考

ソフトには以下を利用

  • TestStand開発システム
  • LabVIEW開発システム

信号入出力用のハードはNI製品をメインに構成。PCIパス制御のた高速動作が可能でタクト時間の短縮に貢献する。ボードの種類が豊富で将来の機能拡張にも対応が可能