LabVIEW設計者認定(CLA) 受験アドバイス

LabVIEW設計者認定とは

LabVIEW設計者認定(CLA:Certified LabVIEW Architect)試験は、LabVIEWによるアプケーション開発能力を証明する試験です。CLA​は​最上級​レベル​の​LabVIEW​認定​試験​で​あり、​LabVIEW​アプリケーション​の​設計​と​プロジェクト​管理​に​精通​し​て​いる​こと​を​証明​し​ます。受験対象者は、2年以上のLabVIEW経験者を想定しています。

試験の概要

  • 出題形式:実技試験(LabVIEWによるアプリケーションアーキテクチャ開発)
  • 試験時間:4時間
  • 合格基準:70%(100点中70点得点)
  • 試験資格:LabVIEW開発者認定(CLD)取得者
  • 結果発表:約4週間後にEmailにて連絡

評価基準

No項目配点
1ユーザインタフェースおよびブロックダイアグラムのスタイル10点
2ドキュメント化20点
3仕様の実装度30点
4アーキテクチャ開発40
合計100点

試験のプログラムについてアドバイス

LabVIEW設計者認定(CLA)試験は、開発者がアプリケーションを開発できるVIデザインを作成できることを評価するため、実際に機能するアプリケーションを作成する必要はありません
ハードウェアに関わる部分など、ハードウェアがない場合、作成できない機能については、ケースとドキュメントのみ作成しておきます。詳細な機能やロジック、計算処理を作成しても採点の対象にはならなりため注意してください。

ブロックダイアグラムのスタイル

NI推奨のスタイルで開発します。
機能は7つの処理に分類され、メインは4つ処理が並列で実行される。

  1. センサー入力
  2. 表示パネル
  3. 操作パネル
  4. 制御
  5. メッセージ
  6. データベース
  7. エラー処理
ブロックダイアグラムのスタイル

ドキュメント

VIプロパティ、関数プロパティ、ブロックダイアグラムにドキュメントを記入すること。
特に試験問題で提示されている[Covers: xxx](要件仕様の実装場所を示すブックマーク)は必ず記載すること。

  • Main VI
  • Sub VI’s
  • data types(.ctl)
  • プロジェクトファイル内全て
CLAドキュメント化

仕様の実装度

試験で提示された仕様を実装すると共に、問題文で、各仕様にそれぞれ固有の識別⼦(ID)が割り当てられています。仕様を実装しているVIに[Covers: ID]を記入します。採点では、トラッキングツール(Requirements Gateaway)で検証されるため、[Covers: ID]が⼊⼒しれていないと採点されないため、必ず記入すること。

CLA仕様の実装度

CLA試験は、LabVIEWアプリケーションの設計を行うため、機能自体を作成する必要はありません。VIのデザインとドキュメントが記入されていれば得点できます。

CLA仕様の実装度

アーキテクチャ開発

  1. 開発チームが開発しやすいように分かりやすいフォルダに分類すること。
  2. メインVIとサブVIを統合したプロジェクトにまとめること。
  3. ソフトウェアのみの環境でテストできる必要があるため、4つのメイン処理にはハードウェアとシミュレーションを選択して実行できる構造にすること。
  4. ハードウェアのcaseには何も処理を作成する必要はなく、シミュレーションVIに左図のパネルを用意してステートマシンで処理の分岐(case)のみを作成してそこにコメントと[Covers: xxx] を配置する。
  5. メッセージを送信するキューの構造は、「表示データ・操作データ・センサデータ」 が送信できる構造にすること。
  6. データベースは、必要な変数を問題文から読み取って画面を作成する。
  7. ハードウェアとシミュレーションを選択できる変数を用意すること。
  8. エラー処理は発生時刻と内容をファイル保存すること。
  9. 非常停止ケースを用意すること。
アーキテクチャ開発

試験の流れ

1.試験問題の理解

  • 試験問題を良く読んで、実現すべき全体のデザインすること。
  • 要件仕様と作成するVIの構成を選別する。
  • 時間配分を決めて、30分はデバッグ用の時間を残すようにすること。

2.プログラミング

  • 新規→プロジェクトでプロジェクトを作成すること。
  • プログラミングを実施する構成ごとにフォルダを作成する。

3.ドキュメント

  • 試験問題文で指定された[Covers: ID]をVIに書き込む。
  • Windowsアクセサリのメモ帳、ワードパッドにドキュメント文を列挙して、VIにコピーする。

4.確認

  • VIの編集→検索で[Covers: ID]を記入して、記入抜けがないか確認する。
  • [Covers: ID]と要件仕様の記載が合っているか確認する。