LabVIEW開発者認定(CLD) 受験アドバイス

LabVIEW開発者認定とは

LabVIEW開発者認定(CLD:Certified LabVIEW Developer)試験は、LabVIEWによるあプケーション開発能力を証明する試験です。開発時間を最小限に抑え、適切なドキュメントとスタイルを通じて保守性を確保しながら、関数型プログラムを設計および開発するユーザーの能力を検証します。受験対象者は、1年~1年半のLabVIEW開発経験者を想定しています。

試験の概要

  • 出題形式:実技試験(LabVIEWによるアプリケーション開発)
  • 試験時間:4時間
  • 合格基準:70%(40点中28点得点)
  • 試験資格:条件なし
  • 結果発表:約4週間後にEmailにて連絡

以前はLabVIEW準開発認定(CLAD)試験の合格資格が必要でしたが、現在は誰でも受験することが可能です。

評価基準

No項目配点
1プログラミングスタイル15点
2機能15点
3ドキュメント化10点
合計40点

サンプル問題

LabVIEW開発者認定のサンプル問題がNI社のWEBサイトからダウンロードできます。
(ダウンロードにはNIのアカウント登録が必要です。)

https://www.ni.com/ja-jp/shop/services/education-services/certification-program.html

試験のプログラムについてアドバイス

プログラミングスタイル

1.デザインパターンの選択

  • 生産者/消費者(イベント)を使用する。
  • 処理の中にステートマシン(列挙体のタイプ定義で処理を分岐)を使用する。

2.フロントパネルの設計手法

  • 色は控えめに一貫性持って使用する。
  • 制御器は一貫したスタイルを使用、できる限りシステム制御器、シルバー制御器を使用する。
  • 実行中の表示をカスタマイズする。(VIプロパティ→ウィンドウの外観→カスタマイズでツールバーは非表示にするなど)
  • 数値入力はデータタイプの範囲を設定して、ユーザが不正な値を入力できないようにする。

3.ブロックダイアグラムの設計手法

  • 画面の解像度に合わせて作成し、あまり大きくしない。
  • VIおよび関数を等間隔に配置し、関数やワイヤを密集させない
  • ワイヤの屈折を避けできるだけ直線になるようにする。
  • 左から右、上から下のデータフローに従ってVIおよび関数を配線する。
  • アイコン、ワイヤの重なりはなくし、視認できるようにする。(例:スタックシーケンスよりフラットシーケンスストラクチャを使用)

4.プログラミング手法

  • 制御器、表示器、定数に対して適切なデータタイプ(整数、倍精度、列挙体)を使用する。
  • ローカル変数、グローバル変数、プロパティノードの使用は最小限とする。
  • 関数とサブVIには、エラー端子を接続する。

機能

  • 試験完了時にアプリケーションが実行可能なこと。
    • アプリケーションが動くことが採点の大きく影響します。機能が不足していても試験完了時にはVIが実行できる状態にしておきます。
  • ファイル保存の機能はの、エラーが発生しないパスを設定すること。
    • 試験で作成したVIは採点者のPC環境で動作確認します。相対パス、マイドキュメントとパスに設定します。
  • エラー発生時の処理を作成すること。
    • 非常停止機能、エラーメッセージ表示機能を作成します。
  • CPU占有率が100%にならないようにすること。
    • Whileループには待機関数を設置して、過度の高速処理にならないようにします。
  • 実行開始時に、画面や制御器を初期化する処理を作成すること。
  • フロントパネルの制御器に100ms以内に応答できるようにしておくこと。

ドキュメント

  • ドキュメントの配点10点と大きいため、必ず記入すること
  • ドキュメント文の内容は試験の問題文で指定されている
  • 使用するWindowsのPC標準機能のメモ帳、ワードパッドは使用可能なので活用して、未記入と記入済を確認する

1.ユーザーインターフェース(フロントパネル)

フロントパネルの制御器のプロパティ/ドキュメントタブに説明とヒントラベルを記入する。

ドキュメントフロントパネル

ブロックダイアグラム

ストラクチャの説明、ワイヤの説明、定数に機能を示すラベルを記入する。

ドキュメントブロックダイアグラム

VIプロパティ

VIのVIプロパティに全体的な説明や端子の説明を記入する。

ドキュメントVIプロパティ

試験の流れ

1.試験問題の理解

  • 試験問題を良く読んで、実現すべき全体の制御内容をまず理解すること。
  • 通常の処理(ノーマルシーケンス)を順を追って考えてみること。
  • 時間配分を決めて、30分はデバッグ用の時間を残すようにすること。

2.プログラミング

  • 生産者/消費者デザインパターン(イベント)を新規に開き、試験問題で用意されているメインVIへダイアグラムをコピーする。
  • 初期化から終了までのキューとケースを追加してデザインテンプレートを作成する。
  • 要件機能を順次作成、機能VIはできるだけ独立して作成する。

3.動作確認

  • デバック、動作確認が行いやすいようにエラー確認用ケース、もしくは、が提出しないデバック用のVIを作成して動作確認する。
  • プログラミングの工程ごとに区切りをつけ、各時点で動作確認を行う。
  • ファイル保存/ファイル読込の処理は、エラーが発生しないように先に動作確認しておくと良い。
  • 中断や停止処理が必要な場合があるので、中断や停止処理の確認もある程度完成した時点で確認しておく。

4.ドキュメントの追加

  • 試験問題文で指定されたドキュメントをVIに書き込む。
  • Windowsアクセサリのメモ帳、ワードパッドにドキュメント文を列挙して、VIの該当場所に貼り付ける。