LabVIEW 計測器ドライバVI(Agilent 3446X)

LabVIEW基本講座 ハードウェア編16

計測器ドライバをLabVIEWで使用する方法について説明します。
LabVIEW計測器ドライバは、特定の計測器のLabVIEWプログラミングで使用できるVI関数になります。

Agilent 3446X

本ページでは、キーサイト・テクノロジー(アジレント・テクノロジー)のデジタル・マルチメータ34461Aの計測器ドライバ「Agilent 3446X」を例に説明しています。

計測器ドライバ使用方法

LabVIEW計測器ドライバは、特定の計測器のLabVIEWプログラミングで使用できるVI関数になります。計測器メーカーやサードパーティーがLabVIEW用の計測器ドライバVIを提供している場合、インストールすることでLabVIEW環境で使用できるようになります。
計測器ドライバのインストール方法については、「LabVIEW基本講座 ハードウェア編15 LabVIEW 計測器ドライバ インストール」をご覧ください。

関数パレット

インストールが成功するとLabVIEWの関数パレットで計測器ドライバVIを使用できます。
「Agilent 3446X」の場合、関数パレットの「計測器I/O」→「計測器ドライバ」→「Agilent 3446X」に表示されます。

計測器ドライバ 関数

プログラミング

計測器ドライバVIは、VI関数と同様に、関数パレットからブロックダイアグラムにドラック&ドロップして使用します。

計測器34461Aからモニタの数値を読み込んで表示するプログラミング例

1.Initalaize (初期化)、Close(閉じる)

ブロックダイアグラムに「計測器I/O」→「計測器ドライバ」→「Agilent 3446X」から「Initalaize.vi」と「Close.vi」をドラック&ドロップします。

Initalaize (初期化)、Close(閉じる)

2.Read(読み込み)

ブロックダイアグラムに「計測器I/O」→「計測器ドライバ」→「Agilent 3446X」→「Data」から「Read.vi」をドラック&ドロップします。

Read(読み込み)

3.表示器作成、ワイヤコネクト

計測器ドライバVIをワイヤでつないで、表示したい表示器を作成します。

表示器作成、ワイヤコネクト

4.VISAリソースにチャンネル入力

「Initalaize.vi」につないでいるVISAリソースをクリックして、表示されるリストから通信する計測器34461Aのチャンネルを選択します。チャンネル名はNI MAXのデバイスとインタフェースで確認できます。

VISAリソースにチャンネル入力

5.実行

VIの実行ボタンをクリックすると、VIが実行され、計測器34461Aと通信して、計測器のモニタに表示されている数値を読み込んで出力します。

実行

VI Tree

計測器ドライバには「VI Tree.vi」が含まれています。「VI Tree.vi」は、該当の計測器ドライバVIの一覧、レイアウト、カテゴリを見ることが出来るVIとなります。

「Agilent 3446X」の場合、 「計測器ドライバ」→「Agilent 3446X」に「VI Tree.vi」があります。

VI Tree

「VI Tree.vi」 のブロックダイアグラムにドライバVI一覧がカテゴリごとに配置されています。

VI Tree

サンプルの検索

サンプルVIがある計測器ドライバは、ドライバのインストールと同時に、インストールフォルダ内にサンプルVIがインストールされます。

計測器ドライバAgilent 3446XをLabVIEW2021(32ビット)にインストールした場合のサンプルVIパス
C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW 2021\instr.lib\Agilent 3446X Series\Examples\

NI サンプルファインダで検索

インストールされたサンプルVIは、「NI サンプルファインダ」で検索することができます。

LabVIEWプラグアンドプレイ

参照画面の「ハードウェア入力と出力」→「計測器ドライバ」→「LabVIEWプラグアンドプレイ」でインストールした計測器ドライバのサンプルVIが表示されます。

LabVIEWプラグアンドプレイ

検索

検索画面で「36641A」など関連するキーワードを入力して検索すると36641Aに関連するサンプルVIが表示されます。

検索

NI計測器ドライバファインダで表示

NI計測器ドライバファインダでインストールされた計測器ドライバの項目で、計測器ドライバ名をダブルクリックすると「計測器ドライバの使用を開始」の画面が表示されて、関連するサンプルドライバ一覧が表示されます。

NI計測器ドライバファインダで表示
NI計測器ドライバファインダで表示

サンプルVIの使用

サンプルVI「Agilent 3446X Series Acquire Single.vi」を実行した例を紹介します。

サンプルVIを開く

NI サンプルファインダなどからサンプルVI「Agilent 3446X Series Acquire Single.vi」を選択して起動します。

Agilent 3446X Series Acquire Single.vi

設定

制御器に測定の設定を入力します。

VISA Resource name 34461Aのチャンネルを選択入力
Measurement Function測定する機能選択
Absolute Resolution分解能を設定
Auto RangeオートレンジのON/OFF設定
Manual RangeオートレンジがOFFの時のマニュアルレンジ

実行

VIを実行するとMeasurementに測定した結果が表示されます。

Agilent 3446X Series Acquire Single.vi

注意

LabVIEW計測器ドライバ「Agilent 3446X Series Meter」を使用して、サンプルVI「Agilent 3446X Series Acquire Single.vi」を実行するとエラーが発生することがあります。
「Agilent 3446X Series.lvlib:Initialize.vi」でプログラムが止まり、操作を受け付けず、数分後にタイムアウトエラーエラーとなります。
解決方法を以下のページで紹介しています。

余談

計測器ドライバVIを開く

計測器ドライバVIは、自作したVIと同様にブロックダイアグラムを開くことができます。

ドライバVIによっては、パスワードで保護され、ユーザーが開けない場合もあります。

例:Agilent 3446Xの「Read.vi」

Agilent 3446Xの「Read.vi」

計測器ドライバVI 「Read.vi」 の中は、VI関数を使って、各機能に対応した計測器34461Aのコマンドを送信/受信しているVIになります。

開くことのできる計測器ドライバVIは、変更することができます。
説明を和訳したテキストを入れて保存するなど改良することが可能です。しかし、コードの変更も上書き保存されてしまうため、動作を変更する場合はバックアップを取っておくか、別名のVIに複製して変更することをお奨めします。

NI 計測器ドライバのガイドライン

NI 計測器ドライバには、NI社が計測器ドライバの提供者に定めている「計測器ドライバのガイドライン」があります。

NI 計測器ドライバのガイドラインhttps://www.ni.com/devzone/idnet/library/instrument_driver_guidelines.htm

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