NI DAQ
LabVIEW基本講座ハードウェア編2
この章では、LabVIEWを使用したデータ集録を学びます。
LabVIEWでは、多種の計測デバイスに対応しています。
今回は、NI社製のDAQデバイスを使用します。
DAQとは
Data AcQuisitionの略で、データ集録を意味します。電圧、電流、温度、などを記録して計測するプロセスのことです。
NI DAQデバイス
NI社が販売しているDAQ装置です。電圧、電流、温度、圧力、音など多用途に対応してデバイスが用意されています。プラットフォームはPCベースでPXI、PCI、FPGA、USBと用途に合わせて選択できます。
開発言語はLabVIEWを始め、Python、ANSI C、C#、.NETに対応しています。
NI DAQmx
NI社が提供しているデータ収集ドライバソフトになります。NI DAQデバイスを使用する場合は、使用するPCにインストールしておく必要があります。
NI DAQデバイスを購入するとインストーラCDが付属されています。NIサイトより無償でダウンロードすることもできます。
NI DAQmxドライバダウンロードページ
NI社サイト https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/drivers/download.ni-daqmx.html
ダウンロードしたexeファイルを実行します。表示されるインストール画面に従って「次へ」ボタンをクリックしていくとインストールできます。
USB-6008
今回、USBバスパワー仕様のDAQデバイスUSB-6008を使用します。
※2021年現在、USB-6008は販売終了しております。新たに購入する場合は、後継機種をご購入ください。
モデル | USB-6008 |
ケース | あり |
バスコネクタ | USB 2.0 |
シングルエンドアナログ入力チャンネル数 | 8 |
差動アナログ入力チャンネル数 | 4 |
最大サンプルレート | 100 kHz/秒 |
アナログ入力分解能 | 12 ビット |
アナログ出力チャンネル数 | 2 |
最大アップデートレート | 10 kS/秒 |
入出力デジタルチャンネル数 | 12 |
カウンタ/タイマ数 | 1 |
前面接続タイプ | ネジ留め式端子 |
対応電源入力 | バスパワー |
構成
名称 | 説明 |
---|---|
GND | グランド。シングルエンドアナログ入力測定、アナログ出力電圧、デジタル信号の基準となる電位 |
AI | アナログ入力チャンネル。(かっこ)の表記は差動測定の場合の対となるチャンネルを表記しています。 |
AO | アナログ出力チャンネル |
P | ポート。デジタルI/O チャンネル。 |
PFI | トリガ信号を入力するチャンネル。 |
+2.5 V | 2.5Vの電圧信号を出力するチャンネル。(USB接続中常時出力) |
+5 V | 5Vの電圧信号を出力するチャンネル。(USB接続中常時出力) |
用語
シングルエンド
- GND(0V)を基準に信号ラインと電位差を信号レベルとして扱う。
- 基準を共通のGNDが使えるため、入力チャンネルを全て計測に使える。
- ノイズの影響を受けやすい。
差動
- 2つの信号ラインの電位差を信号レベルとして扱う。
- 1つの測定に2本(+)(-)のチャンネルを使用するため、シングルエンド入力と比較して、使用できるチ入力チャンネル数が1/2になる。
- ノイズの影響を受けにくい。
サンプリングレート
サンプリングレート(周波数)は、信号の取り込む率のことです。
信号を取り込むことをサンプリング(標本化)と言います。そのサンプリングを1秒間に行える回数がサンプリングレートです。
分解能
集録した信号などを計測できる能力値のことです。ビット数単位で表記されており、このビット数を2の累乗した値が分解単位になります。
例:分解能12ビットで0~10V範囲の電圧を測定した場合、10V÷ 4,096(2の12乗)=0.00244のため0.00244V(2.44mV)単位での測定可能です。2.44mV単位のため、4mVを集録した時は、4.88mVと表示されます。
シングルエンドと差動
シングルエンド | 差動 |
---|---|
1つ測定に(+)1チャンネルで、(-)はGNDで共通に使える。 | 1つの測定に対となる(+) (-)の2チャンネルを使う。使えるチャンネル数はシングルエンドの半分。 |
(+) チャンネルとGND(0V)の電位差で測定結果を出力します。ノイズにより誤差が出ることがあります。 | (+) チャンネルと(-)チャンネルの電位差で測定結果を出力します。(+)チャンネルのノイズを(-)チャンネルで相殺できるため、ノイズによる誤差を抑えることが出来ます。 |
端子への接続
USB-6008の端子は、ネジ留め式端子となります。上部のネジを回すことでピンが上下します。
ピンを下部に下した状態で信号線/コネクタを挿入した後、ピンを上に上げて信号線を挟んで接続します。
ネジ回し・ドライバー
ネジ回しは、先端3mmのマイナスドライバーを使用します。