6.アナログとデジタル|電気電子の基礎講座
みなさんこんにちは!
計測に必要な電気・電子の基礎講座へようこそ。
今回は、計測におけるアナログとデジタルについてお話します。
聞いたことのある単語ですが、詳しい意味はよく分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事を通して、なんとなくでも理解していただけたら幸いです。
それでは、始めましょう。
アナログ量とデジタル量
アナログとデジタルの違いを簡単に言うのであれば、「何らかの量を表す情報の違い」です。
例えば、人間の身長を定規で測定する場合、1メートルや2メートルといった単純な表記の仕方はせず、その間にある値、例えば1.69メートルや1.70メートルで表します。
実際には、1.69メートルと1.70メートルの間にはもっと小刻みに長さの量は存在していますから、
その気になれば、1.6964849…メートルと、無限に細かく表現することができます。
このような連続した量、連続量のことをアナログ量と言います。
アナログ量の情報を取り扱う回路のことを、アナログ回路といいます。
一方、集合した人数を数える場合は1人、2人、3人と数え、1.7人や2.3人ということはありません。
このようなとびとびの量、離散量のことをデジタル量と言います。
デジタル量の情報を取り扱う回路のことを、デジタル回路といいます。
時間・温度・電圧など、大抵の自然現象は本来アナログ量ですが、A/Dコンバーターなどの変換器を使用してコンピュータで処理・保存ができるような、近い値のデジタル量に置き換えられることがあります。
アナログ・デジタルの違いは重要なポイントですから、必ず覚えておきましょう。
パッシブとアクティブ
アナログ電圧計は、測定される回路の電気エネルギーで針を動かします。
測定される回路から直接エネルギーを供給するものを、パッシブ型の測定器と呼びます。
大きな測定電流を必要とするため、測定誤差は大きくなりますが、単純な構造である分、安価です。
一方でデジタル電圧計は、表示や測定回路に必要な電気エネルギーを回路の外部から供給します。
これをアクティブ型の測定器と呼びます。
測定される回路からエネルギーをもらう必要がないので、小さな測定電流で済み、測定誤差が小さくなります。
他に挙げられるメリットとして、増幅器が搭載されており、微小な電圧を増幅して測定することができます。
また、電圧を数値化しているので表示補正も容易です。
デメリットとしては、複雑な構造により高価であること、外部電源を必要とすることと、値がとびとびであることです。
目的と用途に合った測定器を使用しましょう。
まとめ
今回の内容の要点をまとめましょう。
1.アナログは連続量で、1.265…など無限に細かくできる数値
2.デジタルは離散量で、1や2などのある程度まとまった数値
3.パッシブ型の測定器は、電気を回路から供給
4.アクティブ型の測定器は、電気を外部から供給
以上4つのポイントが理解できれば、今回の内容はばっちりです!
それではまた、次回の講座でお会いしましょう。