RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープからLabVIEWでデータ取得
RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープからLabVIEWプログラムを使って、データを取得した方法を紹介します。
RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープ
製品概要
RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープは、RIGOL社製MSO/DS7000シリーズのデジタルオシロスコープです。

型名 | MSO7054 |
周波数帯域 | 500MHz |
アナログ・チャンネル数 | 4 |
リアルタイム・サンプル・レート | 10GSa/s |
最大メモリ長 | 500Mpts(オプション) |
波形取り込みレート | 600,000wfms/s |
デジタル・チャンネル数 | 16 |
内蔵信号発生器 | 2CH(オプション) |
価格 | 812,900 |
プログラミング・マニュアル
RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープのプログラミング・マニュアル(英語)がRIGOL社のサポートページよりダウンロードできます。
RIGOL社WEBサイト サポートページ
https://jp.rigol.com/Jp/Index/listView/catid/27/tp/4/cat/7/xl/18/wd/

LabVIEWドライバインストール
NIから提供されているRIGOL社対応のLabVIEWドライバをインストールします。
RIGOL MSO7054に対応するLabVIEWドライバは提供されていないため、RIGOL社デジタルオシロスコープDS1000シリーズのドライバを使用します。
NIのWEBサイトからダウンロードする場合
NI WEBサイト 計測器ドライバネットワーク (IDNet)ページ
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/instrument-drivers.html
「RIGOL DS1000」で検索して、モデルの項目をクリック、「Go To Driver Page」ボタンをクリックすると以下のページが表示されます。

使用するLabVIEWのバージョンに合わせて、ドライバをダウンロードします。
LabVIEW2021までが提供されています。ダウンロード後にコンパイルすればLabVIEW2021以降のLabVIEWでも使用できます。
このLabVIEWドライバを使用するには、LabVIEWとNI-VISA 5.4以降が必要です。

Download Driver Nowボタンを押して、「rigol_ds1000_series.zip」をダウンロードします。
ZIPファイル解凍して、ドライバVIを使用しています。

LabVIEWからインストールする場合
LabVIEWの画面で、ヘルプ→NI計測ドライバを検索で、製造元に「Rigol Technologies」を入力して検索を実行します。
※表示されるのはLabVIEW2021までのバージョンです。

RIGOL MSO7054のLabVIEWドライバはないため、DS1000のドライバ「rgds 1k Instrument Driver」をダウンロードします。

インストールするとLabVIEWの関数パレットに「RIGOL DS1000 Series」が表示されるようになります。

インストール先は、LabVIEW2021の場合「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW 2021\instr.lib\RIGOL DS1000 Series\」です。
LabVIEW2021以降でLabVIEWの関数パレットに表示させる場合、NIのWEBサイトからダウンロードからダウンロードした「RIGOL DS1000 Series」を「C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW (使用するLabVIEWのバージョン)\instr.lib\」に入れます。
RIGOL DS1000 Series
RIGOL DS1000 Seriesは、RIGOL DS1000と通信を制御するVIです。VISA関数でコマンドを送受信します。

RIGOL MSO7054用にVI修正
RIGOL DS1000 Seriesは、RIGOL DS1000用のLabVIEWドライバのため、そのままRIGOL MSO7054で使用するとエラーが発生してデータを取得できずに終了します。
RIGOL MSO7054に合わせてVIを修正します。
サンプル RIGOL DS1000 Series Acquire Continuous Waveform.vi
基にするサンプルVIを「RIGOL DS1000 Series Acquire Continuous Waveform.vi」開きます。
※RIGOL DS1000 Seriesをコピーして、バックアップしてから始めてください。


RIGOL DS1000 Seriesフォルダ内のExamples→「RIGOL DS1000 Series Acquire Continuous Waveform.vi」を開きます。
また、LabVIEW画面からヘルプ→「サンプルを検索」で開いたNIサンプルフォルダ画面にて、「RIGOL」でキーワード検索を行い、表示される一覧から「RIGOL DS1000 Series Acquire Continuous Waveform.vi」を開きます。
Initialize.vi
DS1000との接続、接続されている計測器の確認、計測器のリセットを実行するVIです。

「*IDN?」コマンドの応答で計測器を確認する部分に「RIGOL TECHNOLOGIES,MSO7054」を追加します。

Fetch Waveform.vi
X軸とY軸のスケール値を取得、波形データを取得、取得したスケール値と波形データから(8ビット:0~255)を測定値(V)に換算して出力するVIです。


プログラミング・マニュアルのプログラムを元に修正を行います。

「:TIM:SCAL?」コマンドで取得したX軸スケール値で割るポイント数を50から100に変更します。
MSO7054は、1スケール当たり100ポイントのデータを取得します。


読み込んだ波形データの冒頭削除文字数を10から11に変更します。
読み込んだ波形データから改行文字を削除します。


これで修正は完了です。
データ取得テスト
LabVIEWを実行して、MSO7054からデータを取得します。
測定準備
テスト用波形を入力します。
- MSO7054のCH1にGAIN1を接続します。
- GAIN1から振幅1V、1kHzの正弦波を出力します。

LabVIEW実行
LabVIEWを実行します。

実行するとMSO7054から取得したデータがグラフに表示されます。入力した振幅1V、1kHzの正弦波が表示されました。


MSO7054に入力する信号を変えると、LabVIEW画面のグラフも連動して変わることが確認できました。
RIGOL MSO7054 デジタルオシロスコープからLabVIEWプログラムを使って、データを取得することが出来ました。