RFID(ICタグ)と金属を組み合わせた測定
ペリテックのRFIDテスタを使用して、RFID(ICタグ)タグと金属を組み合わせた場合の測定を行った結果を紹介します。
使用機材
- ペリテックRFIDテスター一式
- リーダーライター(Sinclair社製SRL441U)
- RFIDタグ(EPCC1G2)
- 金属板
- 電波暗箱
ペリテック製RFIDテスタの特徴
- ISO・EPC Global仕様などソフトウェアで様々な規格に対応が可能
- IQデータから変調信号発生、変調解析、スペクトラム解析が可能
- ベースバンド処理としてFPGAを使用
- LabVIEWを開発ソフトウェアとして使用
- タグテストではリーダー信号をエミュレートすることによりRFIDタグの応答の確認・解析

※上記は測定時の構成となります。現在、お客様に提供するRFIDテスターとは構成が異なります。
測定環境


テスト方法
- RFIDタグとアンテナの距離は1波長以上を確保します。
- RFIDテスタースイープテストソフトウェアを用いて金属が近くにある際のタグの応答を確認します。
- 金属体とRFIDタグの距離を変化させ(0cm~30cmまで5cm刻みで)スイープテストを行いRFIDタグの応答を確認する。
- 結果から評価を行います。
- 金属体がリーダーライターの後にある場合や、RFIDタグとリーダーライターの間にある場合、RFIDタグの下にある場合について測定を行います。
スイープテストについて
スイープテストではRFIDタグに周波数とパワーを変えながらリーダー信号を送りタグのレスポンス強度を確認するテスト方法です。
このテストを行うことによりRFIDタグの応答の有無や感度(RFIDタグが良く応答する周波数帯の確認、最低読取パワーの確認)をグラフや数値データから判断することが可能となります。

測定結果
測定結果について
- スイープテストを行い最小読取値を調べることでRFIDタグの特性を解析します。
- 最小読み取り値とはRFIDタグが応答する限界のパワーの値を意味しています。
- 金属にRFIDタグを貼り付けて場合、本測定ではRFIDタグの応答が確認されませんでした。

RFIDタグと金属の距離5cm~20cm


RFIDタグと金属の距離25cm~40cm


金属体の場所を変えた場合


結果考察
金属とタグの距離が10cm~20cmまでは、徐々に最小読取値が上昇していき感度が悪くなっていくことが分かります。しかし、5cm,10cmでの最小読取値は通常時(金属がない時)よりもはるかに低く全ての測定で最も感度が良いことがわかります。その後25cm、30cmの時では最小読取値が下がり通常時よりもまた感度が良くなります。
また、35cm以上の時では通常時の波形とも重なる部分が多く金属による影響が少ないと判断することが出来ます。
金属の位置を変えた場合、金属がRFIDタグとリーダーライターの間にある場合では動作が不安定になり、下にある場合では感度が悪くなった。ただし、リーダーライターの後に金属体がある場合では通常時とほとんど同様となる波形が確認された。