RFID通信規格
RFIDの通信規格について紹介します。
主なRFID規格機関
ISO(International Organization of Standardization)
国際標準化機構。工業分野の国際的な標準規格を策定する非営利団体。規格が国際標準として承認されると、ISOの承認番号が振られ、国際標準規格として識別される。工業分野の中でも、電気・電子分野の国際標準規格はIEC(International Electrotechnical Commission = 国際電気標準会議)で策定される。
EPCglobal
EPCglobalは、バーコードに代わるデータキャリアとしてRFIDとインターネットを利用したEPCglobalネットワークシステムの開発・推進を行うために2003年11月に設立された非営利法人である
通信周波数
RFID規格
規格名 | 派生 | 周波数 | 用途 |
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ISO 14443 | Type A |
13.56MHz |
非接触ICカード |
Type B | |||
FeliCa | |||
ISO 18092 | |||
ISO 15693 | |||
ISO 18000-3 | Mode-1 |
RFIDタグ |
|
Mode-2 | |||
ISO 18000-4 | Mode-1 |
2.45GHz |
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Mode-2 | |||
ISO 18000-6 | Type A |
860-960MHz |
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Type B | |||
Type C (EPC C1G2) | |||
セキュアRFIDプロトコル | |||
ISO 18000-2 | 135kHz 以下 | ||
ISO 18000-7 | 433.92MHz |
その他のRFID規格
概要 | 規格 |
---|---|
工作機械の工具管理 | ISO 6987 |
運用ガイドライン | ISO 24795 |
家畜管理 | ISO 11784 ISO 11785 |
規格概要
- 搬送周波数:データの送受信を行う周波数
- 副搬送波:搬送波を分割した周波数
- 変調方式:波形を変化させることで、アナログ周波数をデジタルに変換する方式
- 通信速度:リーダーライタとの通信速度
- 符号化方式:アナログ信号をデジタルに変換する方式
- 電池:電池内臓型(アクティブ)、電池なし(パッシブ)
- 衝突防止方式:複数のタグを同時に読み込んだ場合の対応
ISO 14443
- 非接触ICカードの近接型の規格
- 周波数:13.56MHz
- 通信距離:10cm
- 通信速度:106kbps
- Type A ,Bの2タイプが存在
Type A(Mifare)
- 変調方式:ASK 100%
- 使用例:公衆電話ICカード,taspo
- 符号化方式:ミラー、マンチェスター
- 開発:Philips(フィリップス )
- 世界で最も多く使われている非接触ICカード通信規格
Type B
- 変調方式:ASK 10%
- 使用例:住民基本台帳カード、次世代運転免許
- 開発:Motorola(モトローラ)
- 符号化方式:NRZ
FeliCa
- 周波数:13.56MHz
- 通信距離:10cm
- 変調方式: ASK 10%
- 符号化方式:マンチェスター
- 通信速度:212kbit/s
- 日本国内ではシェア52.5%
- 開発:ソニー
- Suicaなどに使用
- 高いセキュリティと高速処理
ISO 15693
- 非接触ICカードの近傍型の規格
- 周波数:13.56MHz
- 通信距離:70cm程度
- 通信速度: 27kbps
ISO 18092(NFC)
- FeliCaの上位互換型
- 開発:ソニーとPhilips(フィリップス )
- 「Near Field Communication」(NFC)
- 周波数:13.56MHz
- 通信距離:10㎝
- 通信速度:106Kbps、212Kbps、424Kbps
- ソニーのFeliCaとPhilipsのMifareと互換性がある
- 双方向通信が可能 テキスト、画像、動画、データなどをやり取りできる
ISO 18000-2
- 周波数:135kHz以下
- 通信距離:10cm
- 工場での工程管理、家畜管理に使用
- 現在では旧式
- ノイズの影響を受けやすい
ISO 18000-3
- 周波数:13.56MHz
- 通信距離:数10cm
- Mode-1,2の2タイプが存在
- Mode-1はISO 15693がベース
ISO 18000-4
- 周波数:2.45GHz
- 通信距離:数10cm~1m程度
- Mode-1,2の2タイプが存在
- FHSS(周波数ホッピング方式)を使用
- スペクトラム拡散の方式の一種で、データを搬送する電波の周波数を短い時間で次々と変えて行く方式
- 水に電波が吸収されやすい
ISO 18000-6
- 周波数:860~960MHz
- 通信距離:3m程度
- 各国で使用周波数は異なる(例:アメリカ 902~928MHz)
- Type C:C1G2がISO規格となった(EPCglobal 提唱)
C=Class G=Generation(Class:タグの種類)
ISO 18000-7
- 周波数: 433.92M Hz
- 通信距離:数10cm
- 日本では現在アマチュア無線がこの周波数領域を使用
- 物流分野でのコンテナ管理に使用
- 障害物に強い
- アンテナが大型になりやすい
セキュアRFIDプロトコル
- 経産省が実施した「UHFタグの技術開発事業(セキュア電子タグプロジェクト)」の中で開発されたプロトコル。
- UHF帯RFIDの国際規格である、ISO/IEC18000─6TypeC規格との互換性を保ちながらセキュリティ機能を追加したもの。
追加機能
1.プライバシー情報保護技術 : 通信距離制限機能、読み出し禁止機能
- 通信距離制限機能 数m の通信距離を数十cm まで短くすることが可能
- パスワード認証によるアクセス制限をすることが可能
2.企業情報保護技術 : ユーザ領域分割機能
- ユーザ領域を複数ブロックに分割し、各ブロックごとのパスワード認証により、ブロック毎に読み出し、書き込みの可否を設定する機能