ロボット・モーションキャプチャティーチング
ペリテックがセミナーで発表した「ロボット・モーションキャプチャティーチング」をご紹介します。
ロボットティーチングとは
ロボットティーチング(Robot Teaching)とは、産業用ロボットに動作を記憶させること。
教示、教示作業とも言う。
ティーチングを行う技能者のことをティーチングマンという。
ティーチングマンは労働安全衛生法により、特別な教育を受けることが義務付けられている。
ティーチング方法
オフラインティーチング
パソコン上でプログラムを作成し、そのデータをロボットに転送するティーチング
- シミュレータ型
3次元CADから発達したもので、ロボット言語のコンパイラで実行する。 - エミュレータ型
ロボット言語をコンパイルせずに直接実行できる - 自動ティーチングシステム
CADデータから加工プログラムを自動的に作成するシステム - テキスト型
テキストエディタでロボットのプログラムを直接書いていく方法
オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック)
リモートコントロール装置の一種ティーチペンダントを用いて動作を記憶させること。教示者が現場で実際に操作し、記憶した動作を再生させ、さらに微調整を行った上で利用する。
ロボット導入のメリットと課題
メリット
- 省人化・省力化
- 生産性向上
- 品質安定
課題
- 導入コスト
- 導入にかかる工数
- ロボットを操作できる人材の確保
ティーチングの困難
- ティーチングにかかる工数
- ティーチング技術者を育てる難しさ
- ティーチングコスト
ロボット導入後の課題
モーションキャプチャティーチングシステムの開発
ロボットにおける姿勢の補正をリアルタイムで行い、ロボットの駆動誤差を吸収し、精度の高い溶接を行うシステムを構築する。
- ロボットの周囲に固定された
- 複数台のカメラにより姿勢と位置のリアルタイムセンシング
- ロボット座標にリアルタイム変換
- 理想位置との差分を算出
- ロボットに対しリアルタイムフィードバックを掛ける。
システム構成
モーションキャプチャを使用した利点
- モーションキャプチャで測定した座標点を直接ロボットに送るため、ティーチングでは実現しにくい滑らかかつ、人間らしい動きをリアルタイムでロボットに伝える事が可能。
- ネットワーク経由で行う為、遠隔地のリアルタイムに複数台の制御も実現。各種ロボットにカスタマイズ対応可能。
開発成果
- ロボットの位置をリアルタイムで補正
- モーションキャプチャの座標をロボットの座標系に変換
- ロボットに高精度な加工を行わせる、遠隔での操作が可能
- ティーチングツールとして利用も可能
レコード&プレイバック
特徴、メリット
- ロボットティーチングの簡略化
- 職人の動きを再現をモーションキャプチャでレコーディング
- ロボットから最大限の価値を手に入れる方法を習得
システム概要
- モーションキャプチャでロギングした作業者の動作データをロボットコントローラへ渡すことが可能。
- これにより、煩雑なティーチング作業無しで、作業者の動作をロボットへ教示することが可能。
基本動作フロー
- モーションキャプチャによって、作業者の動作をロギングする。
- ロギングした座標データをロボットコントローラへ入力できる形式へ変換する。
- ②で作成したデータをロボットコントローラへ渡し、ロボットを制御する。
システムイメージ
動作デモ
1.人がマークを描く動作を、モーションキャプチャでロギング
2.ロギングしたデータでロボットを制御
3.黒がロボット、赤が人が描いたマーク
導入事例
- ブレーキキャリパーの塗装
- 型への塗装
- 鋳型を使う前に保護材を塗る
- エアロパーツのバリ取り