恒温槽 制御ソフトウェア開発
株式会社ペリテックが過去に開発した恒温恒湿槽FX410N(楠本化成)を制御するLabVIEWプログラムの開発事例を紹介します。
使用機器
- 恒温恒湿槽 FX410N(楠本化成)
温度と湿度を一定に保つよう制御することができる装置。温度範囲-40~+150℃、湿度20~98%RH - NI USB-485
RS485インターフェースをUSBに変換する際に使用するモジュール
![恒温槽](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_01.png?resize=250%2C400&ssl=1)
![構成図](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_02.png?resize=480%2C115&ssl=1)
コマンド作成プログラム作成
LabVIEWで恒温恒湿槽 FX410Nに送信するコマンドを作成するプログラムを作ります。
恒温恒湿槽 FX410Nのコマンドを通信仕様書を参考にコマンドを組み立てます。
![コマンド作成(LabVIEWプログラム)](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_03.png?resize=578%2C171&ssl=1)
コマンドフォーマット
恒温恒湿槽 FX410Nに送るコマンドの構造は、以下になっています。
<STX><#><ID><スペース><コマンド><CRLF><ETX><BCC>
<STX>:(0x02)テキスト先頭コード
<#>:(0x23)
<ID>:アドレス。例:アドレス01の場合(0x30)(0x31)
<スペース>:(0x20)空白
<コマンド>:送信するコマンド
<CRLF>:(0x0D)(0x0A) 改行コード
<ETX>:(0x03)テキスト終了コード
<BCC>:チェックコード。STXの次からETXまでXORした結果
HIFLEX NEO-S RS-485通信仕様書(楠本化成株式会社エタック事業部)より
RS485通信プログラム
LabVIEWのVISA関数を使用して、RS485通信を行います。
![RS485通信](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_04.png?resize=732%2C262&ssl=1)
NI-VISA関数
NI-VISA(Virtual Instrument Software Architecture)関数は、LabVIEWで計測器を制御するAPIです。
LabVIEWではVISA関数を使用することで、シリアル(RS232/RS485)、GPIB、VXI、PXI、Ethernet/LXI、USBインタフェースなど構成、通信、制御のプログラミングを行うことができます。
恒温恒湿槽 制御プログラム作成
LabVIEWで、コマンド作成プログラムとRS485通信プログラムを組み合わせて、恒温恒湿槽 制御プログラムを作成します。
ユーザーが操作する画面を作成して、ユーザーの操作に応じて動作するプログラムを作成します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_08.png?resize=752%2C557&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_05.png?resize=1024%2C427&ssl=1)
テスト
作成し恒温恒湿槽 制御プログラムで、実際に恒温恒湿槽 FX410Nにコマンドを送って、応答を受信できるかを確認します。
![](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_06.png?resize=752%2C557&ssl=1)
![恒温槽モニタ](https://i0.wp.com/peritec-si.com/wp/wp-content/uploads/ex-thermostat_09.png?resize=594%2C459&ssl=1)
恒温恒湿槽 FX410NをPCから制御して、恒温恒湿槽の温度と湿度を変更、現在の状態データを受信できることを確認しました。
このプログラムを基に他の計測器と連携して計測、判定を行うプログラムに発展させていきます。