V2Xイノベーション
V2Xとは
V2Xは、運転の安全性向上にもつながる新しいテクノロジです。このテクノロジにより、車は通信によって周囲にある物体の現在の状態や意図を認識できます。そうした物体とは、他の車両(V2V)、インフラストラクチャ(V2I)、歩行者および自転車(V2P)、交通ネットワーク(V2N)などをいいます。このテクノロジが画期的であるのは、セルラーV2X(C-V2X)が開発され、5G New Radio(NR)への道筋を確実なものとするためです。NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、2016年の調査で、V2VやV2Iが実現するセーフティアプリケーションによって、交差点や車線変更時の衝突などの重大事故(飲酒や薬物による事故を除く)のうち最大80%を防止または軽減できると推定しています。このテクノロジを搭載している自動車はまだありません。このテクノロジは、まさに自動車産業の新時代を開くものです。
C-V2Xの実施テスト
現在、V2Xの導入は限定的ですが、世界中の自動車業界が、このテクノロジによって自動車の安全性と効率性を向上させるべく研究を進めています。初期のユースケースは、インシデントアラート、緊急ブレーキ警告、交差点左折アシスト、リアルタイムの交通警報などの安全機能が中心となるでしょう。これにより、C-V2X搭載車の発売前に実施するテストおよび検証について、まったく新しい要件が導入されます。自動車業界のエンジニアは、そうした要件の検討を進めており、まず次の機能をテストする必要があることを認識しています。
- 交差点左折アシスト
- 交差点移動アシスト
- 緊急ブレーキ警告
- 渋滞警告とルート警告
C-V2Xテストシステム
4G/5Gのセルラー接続が普及しなければ、完全な自動運転車は実現できないとの見方が大勢を占めています。トレンドから見て、セルラーV2X(C-V2X)テクノロジの初期展開は、特に車車間(V2V)および路車間(V2I)アプリケーションの場合、3GPP Release 14標準に準拠すると考えられます。
S.E.A.社のソフトウェアと、NI社ハードウェアとを組み合わせることによって、C-V2Xコントローラおよびテレマティクス制御装置のRFおよびGNSSチャンネルに実信号を送信します。C-V2XとGNSSの信号をC-V2Xコントローラに連結することにより、緊急ブレーキ警告や4方向一時停止から送信される実信号をシミュレートできるため、ラボ内でデバイスの性能を特性評価できるようになります。また、新しいC-V2Xソリューションには、左折(米国)アシスト、緊急ブレーキ警告、渋滞警告などの走行シナリオがコンパイルされた状態で含まれているため、最初の計測までにかかる時間を短縮できます。
S.E.A.社ソフトウェアアドオン
- 渋滞シミュレーションソフトウェア:最大数百台の車両が含まれる周辺環境をエミュレートすることで、テストカバレッジを拡大できます。
- チャンネルエミュレーションソフトウェア:電波の物理的歪みをエミュレートすることで、信号伝搬状況を確認できます。
V2Xスペシャリスト S.E.A.社
S.E.A.社はCar-2-CarコンソーシアムやOmniAirなどのV2X関連コンソーシアムのアクティブメンバーであり、自動運転技術のテストシステム用ADASiiTの創設メンバーでもあります。
S.E.A.社のモジュラーV2Xテストプラットフォームにより、V2X総合試験用のV2Xトラフィックシナリオシミュレーションなど、V2X試験の包括的な自動試験を可能にします。
株式会社ペリテックとS.E.A. Datentechnik GmbH社 は、V2X技術においての業務提携を締結しています。
詳しくはこちら(peritec-si.com/news/sea-partnership/)