Analog Discovery用LabVIEWツールキット WaveForms Toolkit for LabVIEW
Analog Discovery 3を使用して、LabVIEWツールキット「WaveForms Toolkit for LabVIEW」で操作する方法を紹介します。
Analog Discovery 3

Analog Discovery 3は、Digilent社が提供するポータブル型の多機能計測デバイスです。USB-CでPCに接続するだけで、オシロスコープ・任意波形発生器・ロジックアナライザ・パターンジェネレータ・プログラマブル電源などを一台で利用できます。
Analog Discovery 3のセットアップ
Analog Discovery 3をUSB-CのケーブルでPCに接続してください。緑色のLEDが点灯します。

デバイスマネージャーに「Digilent Analog Discovery 3」と認識されます。

ソフトウェアのインストール
LabVIEWがインストールされたPCをご用意ください。
WaveFormのインストール
Digilent社のWaveFormsをインストールします。
インストールすると、WaveFormsアプリケーションとランタイムエンジンがインストールされます。
WaveFormsのダウンロード
Digilent社のWEBページからインストーラーをダウンロードします。
以下のリンクのページの「Latest Installers for All Operating Systems」をクリックしてください。
https://digilent.com/reference/software/waveforms/waveforms-3/start

※ダウンロードには、アカウントのログインが必要です。ユーザー登録を行って、ログインしてください。
Downloadsの画面で最新のWaveFormsをダウンロードしてください。

ダウンロードしたインストーラーを実行して、WaveFormsをインストールしてください。
LabVIEW WaveForms Toolkitのインストール
VIパッケージマネージャーを起動
Windowsのスタートメニューから「VI Package Manager(VIPM)」を選択して、VIパッケージマネージャーを起動してください。

もしくは、LabVIEWのトップ画面のメニュー「ツール」から「VI Package Manager」をクリックしてください。
Digilent WaveForms VIsを検索
VIパッケージマネージャーの検索欄に「waveforms」を入力すると、「LabVIEW WaveForms Toolkit for Digilent Analog Discovery」が表示されます。

LabVIEW WaveForms Toolkitをインストール
「LabVIEW WaveForms Toolkit for Digilent Analog Discovery」が選択された状態で、「Install」ボタンを押します。

「Licens Agreemets」(ライセンス契約)画面が表示されます。
「Yes, I accept these license Agreement(s) Instal Packages」(はい、これらのライセンス契約に同意します。パッケージをインストールします。)ボタンを押して、インストールを実行してください。

インストールが完了すると、完了画面が表示されます。「Finish」ボタンを押して、画面を閉じてください。

VIパッケージマネージャを閉じて、LabVIEWを再起動してください。
LabVIEW関数 Digilent WF VIs
「LabVIEW WaveForms Toolkit for Digilent Analog Discovery」がインストールされると、LabVIEWのブロックダイアグラムで表示される関数パレットに、「Digilent WF VIs」が追加されます。
関数パレットの「測定I/O」→「Digilent WF VIs」で表示されます。


- WaveForms MSO:ミックスドシグナルオシロスコープ用VI
- WaveForms FGEN:ファンクションジェネレーター(波形出力)用VI
- WaveForms Power Supply:電源用VI
- WaveForms Digital:デジタルI/O用VI
- WaveForms DMM:デジタルマルチメーター用VI
※Analog Discovery 3には、DMMの機能がないため、WaveForms DMMは使用できません。
各カテゴリごとに、関数VIが用意されています。
WaveForms MSO

WaveForms FGEN

WaveForms Power Supply

WaveForms Digital

WaveForms DMM

サンプル
「Digilent WF VIs」のサンプルが用意されています。
LabVIEW画面のメニュー「ヘルプ」→「サンプルを検索」を押すと、NI サンプルファインダ画面が表示されます。
NI サンプルファインダ画面で、「表示オプション」を「ディレクトリ別」を選択して、「DigilentWF」フォルダをクリックすると、「Digilent WF VIs」のサンプルが表示されます。

また、LabVIEWの各バージョンがインストールされたexamplesフォルダに保存されています。
LabVIEW2025 日本語版の場合:C:\Program Files (x86)\National Instruments\LabVIEW 2025\examples\DigilentWF
Basic DMM Example.vi
DMMでDC電圧の読み取りを実行します。


Basic FGEN Example.vi
ファンクションジェネレーターで、正弦波、方形波、三角波/ランプ波、DC波形を生成します。


Basic MSO Example.vi
ミックスドシグナルオシロスコープで、1チャンネルの波形データを停止ボタンが押されるまで連続で取得します。


Basic Power Supply Example.vi
電源で、電圧の生成、出力と、電圧値の読み取りを行います。


Bode Analyzer Example.vi
ファンクションジェネレーターとミックスドシグナルオシロスコープで、コンピュータのメモリ内のバッファからアナログ出力データを連続的に生成します。


Digital Loopback Example.vi
デジタルI/Oで、単線デジタルループバックを実行します。


Diode IV Analyzer Example.vi
ファンクションジェネレーターとミックスドシグナルオシロスコープで、ダイオードのの順方向バイアス挙動を表示します。


DMM to PS Continuous Voltage Loopback Example.vi
DMMと電源で、ループバックテストを実行します。電源から出力された電圧値をDMMで読み取ります。


MSO and FGEN Sweep Example.vi
ファンクションジェネレーターとミックスドシグナルオシロスコープで、スイープテストを実行します。FGENから出力された波形をMSOで連続取得します。


MSO FGEN Stimulus Response Example.vi
ファンクションジェネレーターとミックスドシグナルオシロスコープで、トリガ応答テストを実行します。FGENから出力された波形で、MSOに設定したトリガを検知すると、MSOで波形を取得します。


Digilent WaveForms Examples.lvproj
サンプルVIのプロジェクトです。
サンプル実行例
Analog Discovery 3を使用してサンプルを実行します。
Basic FGEN Example.viとBasic MSO Example.vi
「Basic FGEN Example.vi」で波形を生成して、「Basic MSO Example.vi」で波形を取得します。
接続例
Analog Discovery 3のチャンネル[1+]と[W1]、[1-]と[GND]を接続します。
- [1+]-[W1]
- [1-]-[GND]

実行結果
「Basic FGEN Example.vi」を実行すると、「Basic MSO Example.vi」で波形が取得できました。


「Basic FGEN Example.vi」の”Wavefome Function”を”Squeare”、”Frequency(Hz)”を”1k”に変更して実行すると、「Basic MSO Example.vi」では1kHzの矩形波波形が取得できました。


MSO and FGEN Sweep Example.vi
上記の接続で「MSO and FGEN Sweep Example.vi」を実行した結果です。

Basic Power Supply Example.vi
「Basic Power Supply Example.vi」で、電圧値を指定して出力します。
接続例
Analog Discovery 3のチャンネル[V+]と[V-]をLEDに接続します。

実行結果
「Basic Power Supply Example.vi」で、”V+ Level”を”3″、”V- Level”を”-2″を設定して、実行します。
Master EnableボタンをON
- Master Enable:ON
- Positive +15V Supply:OFF → 0V
- Positive -15V Supply:OFF→ 0V
0Vのため、LEDは消灯したままです。


Positive +15V SupplyボタンをON
- Master Enable:ON
- Positive +15V Supply:ON → +3V
- Positive -15V Supply:OFF → 0V
V+に+3Vが出力されます。LEDに3Vが印加され、小さく点灯します。


Positive -15V SupplyボタンをON
- Master Enable:ON
- Positive +15V Supply:ON → +3V
- Positive -15V Supply:ON → -2V
V+が-2Vが出力されます。+3と-2Vで電位差5VがLEDに印加され、大きく点灯します。



