NI-MAXを利用したGPIB通信・シリアル通信・USB通信・DAQの基礎とトラブルシューティング -GPIB通信機器編-

この記事では、測定機器と通信を行う際に知っておくと便利な基礎知識と、発生する可能性のある通信トラブルについての対処法を記載いたします。

対処については、ナショナルインスツルメンツ社(以下NI社)のMeasurement & Automation Explorer(以下MAX)をもとに行います。MAXはNI社のLabVIEWか、マイラボ2アプリをインストールいただくと、自由にご利用いただけます。通信確認を行うためには、非常に便利なソフトですので、通信確認の際には、併用していただくことを推奨します。

今回はGPIB通信機器のトラブルシューティングをご紹介いたします。

目次

GPIB通信機器 トラブルシューティング

GPIB通信とは?

GPIB通信とは、GPIBバスインターフェースを用いた、測定器との通信のことです。

通信規格は、IEEE488.2、IEEE488です。
接続については、機器間4m(機器の数×2m)まで、総長20mまでの制限があります。

IEEE-488 バスは、16本の信号と8本のGND線からなっています。16本の信号は、下の3つのグループに分けられます。 信号論理はオープンコレクタ又は、トライステート出力の負論理です。

  1. データライン(DI01~DI08)
    双方向性のデータバスです。
  1. ハンドシェークライン
ピン番号信号名内容
6DAV“L”の時、トーカ、コントローラから送出されたデータが有効であることを示します。
7NRFD“L”の時、リスナがビジーであることを示します。
8NDAC“L”の時、リスナが受信を完了していないことを示します。
  1. 管理ライン
ピン番号信号名内容
5EOI“L”の時、デリミタとして使用されます。又、パラレルポールの時にも使用されます。
9IFC“L”のパルスでインタフェースをクリアします。
10SRQ“L”の時、ある装置がコントローラに対して、サービスを要求していることを示します。
11ATN“L”の時、コマンドモードであることを示します。
17REN“L”の時、各装置をリモート状態にします。

GPIBアドレスとは?

GPIBアドレスとは、GPIB通信を行うために、機器に0~30の数値で設定する番地です。アドレス0は、コントローラー(親玉)の役割をし、USB-GPIB~がアドレス0となります。
通信機器のアドレスはマイラボの場合、USB-GPIBを用いているので、1~14までの数値になります。複数のGPIB通信を行う機器をつなぐ場合、アドレスは重複させないよう注意してください。重複していると、通信が行えません。

GPIBローカルモードとは?

測定器に備わっているパネルや、ボタンから手動で設定を行えるモードです。機器によってこの状態では、パソコンと通信が行えません。その場合、GPIBリモートモードに変更する必要があります。

GPIBリモートモードとは?

パソコンから、設定コマンドを送り、設定が行えるモードのことです。
GPIBリモートモードでも機器側で設定を行える機器もありますが、全く手動で設定を行えない機器もあります。その場合は、切り替えスイッチがあるはずです。

GPIBリモートモードになっているかわかりません

  • MAXの“デバイスとインタフェース”の中の“USB-GPIB~”のところで“計測器をスキャン”し、計測器が現れれば、リモートモードになっています。詳しくは「計測器のアドレス確認方法」をご参照ください
  • 通信機器メーカーからの仕様書の外部通信関連の部分をご参照ください。

GPIB通信機器と接続できない

GPIB通信機器と接続できない場合は下記項目を確認しましょう。

  • 測定器の電源は入っていますか?
  • GPIBケーブルの接続はされていますか?
  • 測定器のモードは、GPIBリモートモード(外部接続モード)になっていますか?
  • 通信機器のGPIBアドレスは、正しいですか?

計測器のアドレス確認方法

MAXでアドレス確認を行う方法を説明します。
まずは「デバイスとインタフェース」の「GPIB-USB-HS~~」で右クリックから、「計測器をスキャン」を行ってください。

すると、右側の設定画面に「計測器のスキャンが正常に完了しました。」と表示されます。

計測器の名前をクリックします。

設定画面のプライマリアドレスに、測定器のGPIBアドレスが表示されます。

通信機器のGPIBアドレスがわかりません

機器に設定されているGPIBアドレスは、MAXで確認できます。

通信機器のGPIBアドレスの設定方法がわかりません

  • 機器によっては、ディップスイッチや、ユーティリティメニュー、設定のメニューなどで、アドレスを変更することができます。
  • 詳細は、通信機器メーカーからの機器マニュアルの外部通信関連の部分を参照ください。

計測器から返答がありません

計測器から返答がない場合、下記項目を確認しましょう。

  • 測定器の電源は入っていますか?
  • ケーブルの接続はされていますか?
  • 通信機器のアドレスは、正しいですか?
  • 測定器のモードは、GPIBリモートモード(外部接続モード)になっていますか?
  • MAXのGPIBコミュニケータで、通信できますか?
  • コマンド「*IDN?」を送り、バージョン情報の返答がありますか?

計測器の名前を選択し、右クリックから「計測器と通信する」を選択してください。

NI-488.2 コミュニケータが現れます。
送信文字列欄にデフォルトで「*IDN?」が入っているので、このまま「クエリ」ボタンを押します。

正常に通信できた場合、受信文字列に計測器の情報が表示されます。
ERRのステータスが灰色のままです。

※機器によっては、*IDN? のコマンドに対応していないものもあるので、ご注意ください。

  • 動作させたいコマンドで再度試してください。

通信が行えましたら、そのコマンドをマイラボのシナリオに採用してください。

MAXテストパネルでエラーが起きました

コマンドが合っているか確認しましょう。
存在するコマンドか、スペルが正しいか、全角が混じっていないかを、確認してください。

error画面の一例

コマンドが正しくても通信が出来ません

  1. デリミタ(終端文字)が合っているか確認しましょう。

機器によってデリミタの設定が異なる場合があります。下記の4パターンを試してください。

  1. デリミタなし・・・*IDN?
  2. デリミタCRのみ・・・*IDN?¥r
  3. デリミタLFのみ・・・*IDN?¥n
  4. デリミタCR+LF・・・*IDN?¥r¥n
  1. コマンドエラーになっていませんか?

※機器によっては、コマンドエラーを、ステータス表示、音、LEDなどで出力する場合もあります。

  1. 一旦コマンドエラー状態になると通信できない機器ではありませんか?

※コマンドエラーになった場合、リセット処理を行わないとコマンドを受け付けない測定器も存在します。

  1. GPIBテストパネルから測定器リセット用のコマンドを送り、エラーをなくしてください。

※リセットを行った際に、計測器によっては「LOCAL」モードになり、コマンドを受け付けなくなる場合があります。計測器の仕様をご参照ください。