テスト管理ソフトウェア TestStand を使用するメリット

TestStandは、NI(National Instruments)が提供するテスト管理専用ソフトウェアです。自動試験・検証システムの開発期間を大幅に短縮し、試験シーケンスの再利用・保守性を高める設計で、製造業の量産検査から開発試験まで広く採用されています。

本稿では、LabVIEWと組み合わせたTestStandの技術的なメリット、アーキテクチャ、活用機能、および株式会社ペリテックの導入支援実績について解説します。

1. TestStandとは?

TestStandは、テストシステムが直面する以下の2つの課題に対処するよう設計されたテスト管理ソフトウェアです。

複雑なシーケンス開発の簡略化と効率化
―試験ステップの追加・変更・順序変更をプログラムレス(GUIのみ)で実施可能

コードとテストシステムの再利用性・保守性の向上
―LabVIEWで作成したテストモジュールをTestStandから呼び出し、機種・バリアント別に再利用

項目内容
開発元NI(National Instruments)
対象用途量産検査・機能試験・自動試験システム
連携言語LabVIEW / C / C++ / Python / .NET等
主な機能シーケンス管理・合否判定・レポート生成・トレーサビリティ
実績分野自動車ECU / 半導体IC / 航空宇宙 / 医療機器 / 家電

2. 開発工数削減効果

TestStand の最大のメリットは、試験システムの開発期間を大幅に短縮できることです。ペリテックの実績に基づく比較を以下に示します。

開発アプローチ試験・画面実装フロー処理合計目安
一般言語(VB・C言語)3ヶ月1ヶ月4ヶ月
LabVIEWのみ1.4ヶ月0.6ヶ月2ヶ月
TestStand+
LabVIEW
0.7ヶ月0.3ヶ月1ヶ月

LabVIEWの標準関数で試験・画面実装を70%以上短縮、TestStandの機能でフロー処理を70%以上短縮することで、合計開発期間を従来比75%削減できます。

システム開発期間での比較(ペリテック実績値)

3. テストシステムの3層アーキテクチャ

TestStand を中核とする自動試験システムは、役割の異なる3つの層で構成されます。この分離設計により、試験内容の変更がソフトウェア改造なしで行えます。

テストシステムの3層アーキテクチャ(TestStand / LabVIEW / 計測器ドライバ)

第1層:TestStand(テスト管理)
試験シーケンスの定義・実行順序・合否判定・レポート生成を担当

第2層:LabVIEW(テストモジュール)
画面制御・試験モジュール・結果保存など、各機能の詳細実装を担当

第3層:計測器ドライバ
PXIモジュール・電源・CAN通信・マルチメータ等のハードウェア制御を担当

4. ソフトウェア構成と動作の仕組み

TestStand 上では、LabVIEWで作成した各機能モジュールを順番に並べることで検査シーケンスを構築します。各ステップで合否判定・パラメータ設定・規格値との比較が自動的に行われます。

ソフトウェア構成:TestStand(シーケンス) + LabVIEW(テストモジュール) + PXIシャーシ

TestStand 上で各検査ステップが実行され、規格値に基づいて合否が自動判定されます。ユーザーはLabVIEWで作成したモジュールをTestStandに登録するだけで、検査シーケンスを構築できます。

5. TestStand シーケンスエディタ

TestStandのシーケンスエディタは、試験項目の管理・設定・実行を直感的なGUIで操作できます。プログラミング不要でほとんどの変更が完結します。

TestStandシーケンスエディタ(RFIDテスタの例)
検査項目リスト(Model_001.seqの例:129ステップ)

主な操作機能

試験ステップの追加・編集
ドラッグ&ドロップでテストモジュールをシーケンスに追加、検査名・規格値・パラメータを設定

実行モード切替
Normal(通常)/ Force to Pass(強制合格)/ Force to Fail(強制不合格)/Skip(スキップ)をステップ毎に指定

試験順序の変更
ステップをドラッグするだけで順序を変更可能。LabVIEW改造不要

パラメータ変更
規格値・試験条件が変更になってもLabVIEWソフト改造なしで対応

リミット設定
Limitタブで比較条件・上下限値・単位を指定。検査規格書と1対1で対応

試験の繰り返し
LoopingプロパティでFixed / Pass-Fail count / Customの繰り返し条件を設定

ステップのコピー
同一測定の設定違いバリエーションを、コピー&ペーストで素早く追加

6. LabVIEWとの連携

TestStandはLabVIEWとの親和性が非常に高く、LabVIEWのVIをTestStandから直接呼び出すことができます。VIの制御器・表示器がTestStandのパラメータとして自動マッピングされます。

  • 各機能はLabVIEWのVI(Virtual Instrument)で実装(CAN通信・デジタル信号・電圧計測・結果保存 等)
  • TestStandからVIを呼び出すと、制御パラメータ・判定値をTestStand側で設定・変更可能
  • LabVIEWを改造せずに規格値・試験条件の変更が完結
  • テストモジュールの再利用により、新機種展開時の開発コストを大幅削減

7. 量産検査での運用設計

量産ラインに適用するファンクションテスタでは、作業者向けUIと管理者向けシーケンス画面を分離設計します。

作業者向けメイン画面(LabVIEW)
検査開始ボタン・OK/NG表示・検査結果一覧・NGコード表示など、操作シンプルな専用UI

管理者向けシーケンス画面(TestStand)
検査項目・規格値・パラメータの変更を管理者権限で実施。機種切替・バリアント対応

トレーサビリティ管理
シリアル番号・工程・日時・測定値・合否結果を自動ログ。ExcelやDB連携も可能

機種別シーケンスファイル管理
機種・モデルごとにシーケンスファイル(.seq)を分けて管理。客先での展開も容易

ドキュメント自動生成
Sequence File Documentationで検査内容のドキュメントを自動生成。規格書として活用可能

作業者向けメイン画面の例(LabVIEW製:START待ち状態、検査結果一覧・OK/NG表示)

8. ペリテック 導入事例

事例① CPU基板試験機(A社 工場技術チーム)

  • 1機種1台の検査システムのテストプログラムを構築して納品
  • 他7台の検査システムは客先にて展開(TestStandシーケンスファイルのみ追加)
  • 別機種の検査システムはTestStandシーケンスファイルを客先にて作成・動作確認して現場展開

事例② ECUテスタ(B社 生産技術部第2グループ)

  • 3車種、高温・低温・校正の計9台を作成
  • 車種・検査項目の変更はTestStandシーケンスファイルを客先にて作成・対応
  • 燃料噴射装置用ECUテスタとして量産ラインに運用

燃料噴射装置用
ECUテスタ 外観(B社 生産技術部 3車種×3条件=9台構成)

ペリテックの対応可能範囲

  • 通常30~50試験項目(最大480試験の実績あり)のLabVIEW&TestStandプログラミング
  • 検査手順書からの自動試験プログラム開発
  • 作業者用メイン画面と管理者用シーケンス画面のカスタマイズ
  • 客先展開を前提とした保守性の高いアーキテクチャ設計
  • LabVIEW / TestStand / PXI / RF / CAN / FPGA 対応

9. システム進化ロードマップ

TestStand を採用することで、検査システムを段階的に進化させることができます。
ペリテックはあらゆる段階で支援します。

項目内容
BASIC(汎用自動測定)どの部署でも使える汎用測定。LabVIEW / CAN・LIN /GPIB / PXI を活用した汎用データ収集・波形計測システム。
標準(専用検査システム)ECUの機能に合わせた専用検査システム。TestStand+LabVIEW でメイン画面・シーケンス・検査履歴・専用I/Fを構築。
ネットワーク(多拠点展開)部署・拠点を超えて共有でき、複数台へ展開。サーバPC / Oracle / SQL Serverとのデータベース連携、品質管理ツールリンク対応。

最後に

TestStandは、製造業における自動試験システムの開発工数削減・資産再利用・保守性向上を実現するための最も効果的なテスト管理ソフトウェアです。

  • 開発期間を従来比 最大75%削減(4ヶ月 → 1ヶ月)
  • 試験パラメータ・規格値の変更がLabVIEW改造なしで完結
  • テストモジュールの再利用で多機種展開コストを抑制
  • 作業者用UI × 管理者用シーケンスの分離設計で運用効率向上
  • トレーサビリティ・レポート自動生成で品質管理と直結

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ペリテックはTestStand/LabVIEWを用いた検査システムを 設計~開発~納品~客先展開支援までトータルで提供します。

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