カスタムATE・SLTとは?
―次世代半導体試験システムの新しい潮流とペリテックの挑戦―

半導体試験を取り巻く環境

AI アクセラレータやHPC向けSoC、xEV用パワー半導体(SiC/GaN)、5G/6G対応RFフロントエンド、車載 ECU など、半導体デバイスは急速に高機能化・高集積化しています。チップレット構成や SerDes の高速化(56G~112G PAM4 クラス)が進む中、試験工程にもこれまで以上に高度で柔軟な計測技術が求められるようになりました。
従来は、半導体チップ単体の電気特性や機能を高速に測定するウェハテスト・パッケージテストが中心でしたが、現在では実装後の基板・モジュールが実際の使用環境と同等の条件で正常に動作するかを確認する試験(SLT)の重要性が高まっています。
ATE(Automatic Test Equipment)とは
ATE は、半導体デバイスの量産工程で使用される自動試験装置です。ペリテックでは、NIPXI プラットフォーム(デジタイザ、任意波形発生器、SMU、高速デジタル I/O)やベクトル信号トランシーバをベースに、以下のような試験系を構築しています。
- デジタル機能試験(論理動作、境界値、タイミングチェック)
- アナログ特性測定(DC/AC特性、電源電流、リーク電流)
- 電源試験(電圧・電流シーケンス、過渡応答)
- 高速インターフェース試験(USB、PCIe、SerDes、CANなど)
- タイミング測定(セットアップ/ホールド、ジッタ)
- 不良デバイスの選別(ビン分け、統計的良否判定)
量産ラインでは、テストプログラムの実行時間短縮とハンドラ・プローバとの同期精度が歩留まりとスループットを左右するため、LabVIEW/TestStand によるシーケンス制御とFPGAによるリアルタイム判定を組み合わせて対応しています。
ATEの特徴
| 試験対象 | 半導体チップ |
| 接続方法 | プローブカード・ テストソケット |
| 試験内容 | 電気特性・機能試験 |
| 試験時間 | 数秒 |
| 主な目的 | 製造不良の検出 |
SLT(System Level Test)とは
SLT(System Level Test)は、デバイスや実装済み基板を実際の使用環境に近い状態で動作させる試験です。ペリテックが手掛ける例として、
- 車載ECUのファームウェア書き込みとCAN/LIN/Ethernetバス通信試験
- 5G/Wi-Fiモジュールの実機接続によるスループット・接続安定性試験
- AI推論ボードでのモデル実行・演算精度検証
- 恒温槽(-40℃~+125℃)を用いた温度サイクル下での動作評価
- 長時間バーンイン試験による初期不良(early failure)のスクリーニング
などを実施し、量産出荷前に製品としての品質を確認します。ATEでは検出しにくいソフトウェア起因の不具合や、複数デバイス間の相互作用による不具合も、SLTであれば実使用条件下で捕捉できます。
SLTの特徴
| 試験対象 | 実装済みデバイス・モジュール |
| 接続方法 | 実際の基板や専用治具 |
| 試験内容 | ソフトウェア起動、通信、 実動作確認 |
| 試験時間 | 数十秒~数分 |
| 主な目的 | 実使用時の品質保証 |
カスタムATEという選択肢
すべての試験を汎用テスタでカバーできるとは限りません。数百~数千個規模の少量生産、SiC/GaN パワーモジュールのような特殊デバイス、大学・研究機関での評価用途、既存の生産設備への組み込みなどでは、用途に合わせて最適化したカスタム ATE が大きな価値を発揮します。
必要な計測モジュール(PXI 計測器、FPGA ボード、専用治具)だけを組み合わせることで、
- 開発期間の短縮(既存プラットフォームの再利用により数週間~数か月単位を短縮)
- コスト最適化(汎用ATE導入と比べて初期投資を抑制)
- 高い拡張性(測定チャンネル数やDUT種類の追加に対応)
- 将来の仕様変更への対応(ソフトウェア更新による試験項目の追加・変更
これらを実現できます。
ペリテックが目指す試験システム
ペリテックは、NIアライアンスパートナーとして約30年、PXI/LabVIEW/TestStandを中核とするシステムインテグレーションの経験を積み重ね、半導体・自動車/バッテリー・航空宇宙/防衛・RF/無線分野のお客様ごとの課題に最適化した試験システムを提供しています。
単なる装置販売ではなく、
- 試験仕様の検討(要求分析、測定項目・精度・タクトタイムの整理)
- ハードウェア設計(PXIシャーシ構成、信号経路設計、シールド・ノイズ対策)
- ソフトウェア開発(LabVIEW/TestStandによるシーケンス、DQMHベースのモジュール設計)
- 治具設計・製作(ソケット、プローブ、DUTボード)
- 制御盤設計(電源系統、安全回路、インターロック)
- 自動化設備との連携(ハンドラ、ロボットアーム、画像処理による外観検査)
- 導入・立上げ・保守(現地調整、オペレーション教育、故障対応)
までを一貫して対応できることが強みです。
また、モジュラー計測機器、FPGA、高速通信、画像処理、ロボット、自動搬送装置などを組み合わせ、お客様の生産ラインや研究開発環境に最適なソリューションを構築しています。
ペリテックが目指す将来像
今後、半導体試験は「装置単体」から「データ活用を含めた試験プラットフォーム」へ進化していきます。ペリテックでは、
- カスタムATE
- System Level Test(SLT)
- 評価・開発用試験システム
- 生産ライン向け自動試験装置
- AIを活用した試験データ解析(不良傾向の予兆検知、テスト項目の自動最適化)
- クラウドによるトレーサビリティ・品質管理システム(ロット単位でのデータ一元管理)
を組み合わせた、次世代の試験ソリューションの提供を目指しています。
お客様とともに最適な試験環境を構築
半導体や電子機器は、製品ごとに求められる試験内容が異なります。だからこそ重要なのは、「標準的な装置を導入すること」ではなく、「お客様の製品・工程・品質要求に最適な試験システムを構築すること」です。
ペリテックは、試験・計測・自動化技術を融合したシステムインテグレーターとして、お客様の研究開発から量産までを支える最適な試験ソリューションを提供し、ものづくりの品質向上と生産性向上に貢献してまいります。
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