エネルギー分野の試験・計測・自動化システム
Battery・BMS・Power Electronics・Inverter・UPS を支えるシステムインテグレーション

はじめに
カーボンニュートラル、電動化、再生可能エネルギー、データセンターの電力需要拡大などを背景に、エネルギー関連機器の高性能化・高効率化が進んでいます。その一方で、エネルギー機器の評価試験は複雑化しています。
例えばインバータやコンバータでは、電圧・電流だけでなく、スイッチング波形、電力損失、効率、過渡応答、温度などを同時に評価する必要があります。バッテリーでは、セル電圧、電流、温度、充放電状態、BMS 通信など、多数の信号を長期間にわたって取得・管理しなければなりません。
このような試験では、単体の計測器だけでは十分ではなく、電源、電子負荷、センサ、オシロスコープ、DAQ、PXI、PLC、通信機器、LabVIEW、TestStand などを組み合わせた「試験システム」が必要になります。ペリテックは、これらの機器・技術を統合し、エネルギー機器の開発・評価・品質保証・生産試験を支援する試験・計測システムを構築します。
1. Energy Test Systemとは?
エネルギー機器の試験では、大きく分けて以下の機能が必要になります。
- 電力を供給する
- 電力を吸収する
- 電圧・電流を測定する
- 高速波形を取得する
- 温度などの物理量を測定する
- DUTを制御する
- 試験条件を変更する
- 試験結果を判定する
- データを保存する
- 試験レポートを作成する
これらを個別に操作するのではなく、一つのシステムとして連携させることで、試験の自動化と再現性を高めることができます。上図のとおり、TestStandが試験シーケンス・管理を担い、LabVIEWが計測・制御・演算・解析を担い、その配下にPXI/DAQ、オシロスコープ、PLC/I/Oが連携し、センサを介して DUTおよび電源・電子負荷・バッテリーシミュレータと接続する構成が基本形です。
2. 「電力を扱うシステム」と「測るシステム」を分けて設計する
Energy分野では、DUT に実際の電力を流す「Power Path」と、状態を測定・制御する「Measurement & Control Path」を分けて考えることが重要です。
| Power Path(電力系) | Mesurement&Control Path(計測・制御系) |
|---|---|
| AC電源/DC電源/バッテリー | 電圧センサ/電流センサ/温度センサ |
| 電子負荷/回生負荷 | PXI/PXIe/DAQ |
| インバータ/コンバータ | オシロスコープ/DMM/SMU |
| DUT | デジタルI/O/CAN/Ethernet/PLC |
ペリテックでは、これらを個別に選定するだけでなく、試験仕様に合わせて一つのシステムとして統合します。
3. 高電圧・大電流を安全に測定する
Energy機器では高電圧・大電流を扱うケースがあります。そのため、DUTの信号を直接計測器へ入力するのではなく、対象となる電圧・電流、絶縁要件、帯域、精度などに応じて適切なセンサや信号変換方式を選定します。
構成イメージ:DUT → 電圧・電流センサ → 信号変換・絶縁 → DAQ/PXI → LabVIEW → 演算・解析・判定
ペリテックでは、Verivoltなどのセンサ製品を含む各種計測技術を組み合わせ、電力系の信号を自動試験システムへ取り込む構成を検討できます。重要なのは特定のセンサを使用することそのものではなく、「どの電気量を、どの帯域・精度・絶縁条件で取得する必要があるか」を整理し、最適な計測方式を設計することです。
4. オシロスコープを「観測器」から「自動試験システム」へ

パワーエレクトロニクスでは、平均的な電圧・電流値だけでは十分な評価ができません。例えば以下のような項目を評価する必要があります。
- スイッチング波形
- dv/dt
- di/dt
- オーバーシュート
- リンギング
- リップル
- 過渡応答
- 起動波形
- 異常波形
オシロスコープをLabVIEWなどから制御することで、波形取得→演算→判定→保存までを自動化できます。ペリテックでは、オシロスコープを単体の測定器として使用するだけでなく、電源、電子負荷、DAQ、PXIなどと組み合わせて評価システムの一部として利用します。すでにペリテックでは、オシロスコープ×LabVIEWによる自動計測について、SiC/GaN、バッテリー、BMS、EVインバータ、モーターなどを対象とした技術解説を公開しています。
5. PXI/DAQとオシロスコープの役割分担
Energy Test Systemでは、一台の計測器ですべてを測定する必要はありません。
| PXI/DAQが担当 | オシロスコープが担当 |
|---|---|
| 電流測定/温度測定/DIO | 過渡現象 |
| 信号生成/SMU・DMM | ノイズ |
| 同期計測 | 一過性の異常現象 |
このように、それぞれの計測器の得意分野を組み合わせることで、より柔軟な試験システムを構築できます。ペリテックの既存技術解説でも、PXIとベンチトップオシロスコープを組み合わせることで、それぞれの特性を活かした自動試験環境を構築できることを紹介しています。
6. LabVIEWによる計測・制御・解析


LabVIEWはEnergy Test Systemの中心的なソフトウェアとして利用できます。計測(電圧・電流・温度・波形の取得)→制御(電源・電子負荷・スイッチ・DUT の制御)→演算(電力・効率・損失・RMSなどの算出)→解析(過渡応答・波形・特性の解析)→判定(規格値・上下限値との比較)→保存(試験結果・波形・ログの保存)という一連の処理を自動化できます。
また、メーカーの異なる計測器を一つのアプリケーションから制御するマルチベンダー構成にも対応できます。
7. TestStandによる試験シーケンスの自動化

Energy Test Systemでは、単に計測を自動化するだけではなく、「試験そのもの」を管理する必要があります。そこで TestStandを利用します。TestStandは、試験項目や試験シーケンスを管理するテスト管理ソフトウェアです。
- 初期状態確認
- DUT起動
- 無負荷試験
- 定格負荷試験
- 負荷変動試験
- 過渡応答試験
- 効率測定
- 保護機能試験
- 異常試験
- 最終判定・レポート
LabVIEWが「計測・制御・解析」を担い、TestStandが「試験シーケンス・試験管理」を担うことで、開発用の評価システムから生産用の自動試験システムまで発展させることができます。ペリテックでは、TestStandのシーケンス設計やレポート機能についても技術情報を公開しています。
8. Power Electronics Test
Energy分野で重要な対象の一つがパワーエレクトロニクスです。
| 対象 | 主な評価項目 |
|---|---|
| SiC/GaN/IGBT/MOSFET | 入力・出力電圧/入力・出力電流/電力 |
| パワーモジュール/インバータ/コンバータ | 電力変換効率/電力損失 |
| DC/DC/AC/DC | スイッチング特性/dv/dt/di/dt |
| UPS/電源装置 | 過渡応答/リップル/ノイズ/温度特性 |
これらを、電源+電子負荷+センサ+オシロスコープ+PXI/DAQ+LabVIEW+TestStandとして統合することができます。
9. Battery/BMS Test
バッテリー評価でも、同じシステムインテグレーションの考え方を適用できます。Battery(Cell/Module/Pack)、BMS(セル電圧、電流、温度、SOC、セルバランス、保護機能、CAN/SPIなどの通信)を対象に、充放電、過充電、過放電、過電流、温度特性、サイクル試験、耐久試験、パルス応答などの試験を自動化します。短時間の高速波形についてはオシロスコープ、長期間のデータロギングについてはDAQ/LabVIEWなど、試験内容に応じて計測方式を組み合わせます。
10. Inverter/Motor Test
インバータやモーターでは、複数の電気信号を同期して取得する必要があります。例えば、DC入力電圧・DC入力電流・三相電圧・三相電流・PWM信号・回転数・トルク・温度などを同時に取得します。さらに、入力電力と出力電力を比較することで総合効率を評価することもできます。ペリテックでは、電気計測だけでなく、必要に応じてモーション・センサ・制御機器などを組み合わせ、システム全体として評価環境を構築します。
11. UPS・電源・エネルギー
Energy分野では、UPSや大容量電源、電力変換装置なども重要な評価対象です。例えば負荷変動試験では、電子負荷を自動制御してDUTへ負荷変動を印加し、電圧・電流を測定、オシロスコープで過渡応答を取得、LabVIEWで解析、TestStandで判定し、試験結果を保存するという試験システムを構築できます。この考え方は、UPS、電源装置、コンバータ、インバータなど、さまざまなEnergy機器へ展開できます。
12. 安全・インターロック
Energy Test Systemでは、安全設計が重要な要素となります。試験対象や電力レベルに応じて、次のような機能を検討します。
- 非常停止
- ドアインターロック
- 電源遮断
- 過電圧保護
- 過電流保護
- 温度異常
- 冷却異常
- 絶縁監視
- 異常時停止
また、試験ソフトウェアによる制御と、安全機能として必要な回路・制御を適切に分離することも重要です。ペリテックでは、電気・制御・ソフトウェア・装置を含めたシステムとして検討します。
13. 試験データを「品質情報」に変える
Energy Test Systemでは、測定値を取得するだけでは十分ではありません。重要なのは、DUT情報+試験条件+計測データ+判定結果+試験日時を関連付けて管理することです。
DUT ID → TestStand → 試験条件 → LabVIEW → 計測・解析 → PASS/FAIL → データ保存 → レポートという流れを構築します。
TestStandでは、試験ステップ、上下限値、判定結果などをレポートして生成することができ、試験データを後から追跡・分析できる環境を構築できます。
14. 開発評価から生産試験へ
Energy Test Systemは、研究開発専用の設備にする必要はありません。開発(試作→実験→データ取得→解析)、評価(自動試験→判定→レポート)、品質保証(規格試験→再現性評価→トレーサビリティ)、生産(DUT投入→自動試験→PASS/FAIL→データ保存)というように、同じ試験資産を発展させることができます。ペリテックでは、LabVIEWとTestStandを利用した自動試験システムを、研究開発から生産工程まで展開してきた実績があります。
15. Energy Test Platformという考え方
試験システムを案件ごとにすべてゼロから開発するのではなく、共通部分をプラットフォーム化することで、開発効率を高めることができます。
共通プラットフォーム
TestStand+LabVIEW+PXI/DAQ+計測器ドライバ+センサインターフェース+安全制御+データ管理
Application Module
- Battery Test
- BMS Test
- Power Device Test
- Inverter Test
- Converter Tes
- UPS Test
- Power Supply Test
- EV/OBC Test
この共通基盤に、用途ごとの試験モジュールを組み合わせることで、試験システムの再利用性、保守性、拡張性を高めることができます。
16. ペリテックが提供するEnergy Solution
| お客様の課題 | ペリテックの対応 |
|---|---|
| 「測りたい」 | 電圧・電流・温度・波形・電力を計測 |
| 「制御したい」 | 電源・電子負荷・DUT・環境を制御 |
| 「自動化したい」 | 試験条件・計測・解析・判定を自動化 |
| 「長時間試験したい」 | 耐久試験・サイクル試験・環境試験を自動運転 |
| 「複数の機器をつなぎたい」 | 異なるメーカーの計測器・制御機器を統合 |
| 「データを残したい」 | 試験条件・測定結果・判定結果を一元管理 |
| 「生産ラインへ展開したい」 | 開発用試験システムから生産用自動検査システムへ展開 |
17. ペリテックのマルチベンダーSI
Energy Test Systemでは、すべての機器を一つのメーカーで統一する必要はありません。
センサ×オシロスコープ×電源×電子負荷×PXI×DAQ×LabVIEW×TestStandを組み合わせることができます。ペリテックは特定の計測器だけに依存するのではなく、お客様の試験仕様、性能、予算、将来拡張性に合わせてシステムを構成します。
これは、ペリテックが長年培ってきた試験・計測システムインテグレーションの重要な強みであり、40年以上の実績と4,000 件を超える開発経験を掲げ、ソフト・ハードの設計から製造まで対応しています。
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