NI-MAXを利用したGPIB通信・シリアル通信・USB通信・DAQの基礎とトラブルシューティング -USB計測器編-

この記事では、測定機器と通信を行う際に知っておくと便利な基礎知識と、発生する可能性のある通信トラブルについての対処法を記載いたします。

対処については、ナショナルインスツルメンツ社(以下NI社)のMeasurement & Automation Explorer(以下MAX)をもとに行います。MAXはNI社のLabVIEWをインストールいただくと、自由にご利用いただけます。通信確認を行うためには、非常に便利なソフトですので、通信確認の際には、併用していただくことを推奨します。

今回はUSB計測器のトラブルシューティングをご紹介いたします。

目次

USB計測器 トラブルシューティング

USB通信とは?

PCと周辺機器を接続するためのプロトコルで、USBは通信速度1.5Mbps (Low Speed)/12Mbps (Full Speed)/480Mbps (High Speed)の高速通信が可能な低コストのバスです。一つのパソコンに対し、最大6分岐までのHUBを利用することによって、1つのネットワークに最大127台の装置(ターゲット)をツリー型に接続することが可能です。これをスター型のネットワークと呼びます。

デバイス名とは?

パソコンに接続する周辺機器のことをデバイスといいます。ここでデバイス名と指しているのは、MAXで認識されているUSB通信機器の名前のことです。下図のように表示されます。

USB通信機器と接続できない

USB通信機器と接続できない場合は下記項目を確認しましょう。

  • 電源は入っていますか?
  • ケーブルの接続はされています
  • MAXで機器の認識はされていますか?

MAX画面を開き、デバイスとインタフェース(下図の赤枠で囲ったデバイス)に接続した機器が表示されていれば、認識されています。

  • 測定器のモードはリモート(USB通信モード)になっていますか?
  • 測定器用のメーカーが提供している、USBドライバはインストールされていますか?

USB通信機器のドライバをインストールする必要があります。
※ドライバは、購入した測定器に同梱されているCDに入っています。もしくは、メーカーのホームページのダウンロードページに、用意されています。

※PCと測定器をUSBケーブルで接続しただけで、自動的にドライバがインストールされる機器もあります。
その際、付属のUSBケーブルで接続することで、ドライバが正常にインストールされるという機器もありますので、できるだけ付属のケーブルを使用することをお薦めします。

  • USBドライバをインストールしたポートだけで動作できる機器ではありませんか?

測定機器によっては、メーカーの USBドライバをインストールしても、個別のポートにしか適用されない場合があります。インストールしたポートに差し替えて再度確認を行ってください。

  • USBハブを利用していませんか?パソコンに付属のポートに直接、差し替えて確認してください

※USBポートが足りないため、USBハブを使用されている際に、接続がうまくいかない場合には、PC直接のポートをご使用ください。また、USBハブに多くの機器を接続していて、供給電力が足りない場合もあります。その際、ACから電流供給する「セルフパワーUSBハブ」を用いる方法もあります。

  • パソコンを再起動させて、再度確認してください。

多くの機器を用いていると、多くのポート番号が割り振られます。
その際、抜き差しを数多く行っていると、正常にデバイスが認識されない、機器との通信が行えなくなるなどのことがあります。一度、パソコンを再起動させて、ポートを差し替えたりして、確認を行ってください。

デバイスマネージャーとは?

デバイスマネージャとは、デバイス(パソコンを構成している部品やディスプレイ、プリンターなどの周辺機器)をマネージャ(管理)するところにあたり、デバイスが正常にパソコンに認識されているかどうか確認したり、設定の変更、ドライバのインストールを行ったりするものです。

※デバイスマネージャーの確認方法は、「シリアル通信 デバイスマネージャーの開き方は?」をご参照ください。

デバイスマネージャーの開き方は?

マイコンピューターでプロパティ→デバイスマネージャーの手順で開きます。

※デバイスマネージャーの確認方法は、「シリアル通信 デバイスマネージャーの開き方は?」をご参照ください

USB通信機器から応答がありません

USB通信機器から応答がない場合は下記項目を確認しましょう。

  • 電源は入っていますか?
  • ケーブルの接続はされていますか?
  • MAXで機器の表示はされていますか?
  • 測定器のモードはリモート(USB通信モード)になっていますか?
  • MAXのVISAテストパネルは開けますか?

接続しているポート番号を選択し、「VISAテストパネルを開く」を選択してください。

通信が確立していれば、下図のテストパネルが開きます。

  • デバイス名の設定は合っていますか?

ここでデバイス名と指しているのは、デバイスとインタフェースの欄に現れる、USB0:: ~ INSTRまでのことです。

  • コマンドは合っていますか?(存在するコマンドか、スペルが正しいか、全角が混じっていないかを、確認してください。)
  • デリミタ(終端文字)の設定は合っていますか?

※デリミタについては「デリミタとは?」をご参照ください

  • コマンド「*IDN?」を送り、バージョン情報の返答がありますか?

テストパネルの「Input / Output」画面で、Select or Enter Command欄で、*IDN?¥nを選択し、「Query」ボタンを押します。正常な通信なら、バージョン情報が返答されます。

※ここで、うまくいかない場合は、コマンドの確認を行ってください。もしくは*IDN?¥nのコマンドに対応してない機器も存在しますので、マニュアルを確認してください。

  • 動作させたいコマンドで返答がありますか?

上記同様に、通信したいコマンドを打ち込み、同じように「Query」を押します。

通信機器によっては、上の*IDN?の返答が来ても、ほかのコマンドはリモート用コマンドを送らないと、返答がない場合があります。その場合は、リモートコマンドを送って再度確認してください。