NI-MAXを利用したGPIB通信・シリアル通信・USB通信・DAQの基礎とトラブルシューティング -DAQ計測器編-

この記事では、測定機器と通信を行う際に知っておくと便利な基礎知識と、発生する可能性のある通信トラブルについての対処法を記載いたします。

対処については、ナショナルインスツルメンツ社(以下NI社)のMeasurement & Automation Explorer(以下MAX)をもとに行います。MAXはNI社のLabVIEWをインストールいただくと、自由にご利用いただけます。通信確認を行うためには、非常に便利なソフトですので、通信確認の際には、併用していただくことを推奨します。

今回はDAQ計測器のトラブルシューティングをご紹介いたします。

目次

DAQ計測器 トラブルシューティング

DAQとは?

データ集録ハードウェア(ここでは、NI社製品を指します)のことです。

DAQシステムのイメージ図
DAQシステムのイメージ図

 

DAQの種類
  • ポータブル型・・・USB-DAQ、Wi-Fi、Ethernet
  • デスクトップ型・・・PCI、PCI Express
  • システム型・・・Compact DAQモジュール、PXIモジュール

詳細は、NI社ホームページ 「データ収録」をご参照ください。

USB-DAQとは?

パソコンとUSBケーブルでつなぐことによって電圧測定、IO制御などが行える、ポータブルかつコンパクトなハードウェアです。配線はねじ止め端子台となっており、簡単に行えます。

USB-6003

デバイスとインターフェースのDAQのアイコンの意味について

デバイスとインタフェースのアイコンの意味について下の表にまとめます。

アイコンデバイスの状態
接続されていて、認識されている
接続されていない
シミュレーションデバイスです(実際はつながっていない)

※シミュレーションデバイスについては、後述の「USB-DAQのシミュレータを使用するには?」を参照ください。

下記、NI社資料より抜粋いたします。

差動入力

差動モードでは、プラス側とマイナス側端子の電位差を測定します。2つの入力端子はアナログ入力の各チャンネルに接続します。
例えば、チャンネル0の測定を行う場合、プラス側をCH0+と接続して、マイナス側をCH0-に接続します。

基準化シングルエンド入力

基準化シングルエンドモード(RSE)では、入力の片側をAI GNDと接続することで接地して測定します。この場合片側を共通とするため、差動モードに比べて2倍のチャンネル数が集録に使えます。
例えばチャンネル0の測定を行う場合、プラス側をチャンネル0と接続して、マイナス側をAI GNDと接続します。

非基準化シングルエンド入力

非基準化シングルエンドモード(NRSE)では、入力の片側をAI SENSEと接続して共通にするため、差動モードの2倍のチャンネル数の集録が行えます。この場合、信号源の片側は入力の片側を接地せずに共通端子に接続して測定します。
例えば、チャンネル0の測定を行う場合、プラス側をチャンネル0と接続して、マイナス側をAI SENSEと接続します。

※アナログ信号源の種類によって、接続方法が異なります。それぞれのデバイスとの接続方法に関しては、例として、下図の場合があります。

  • USB-DAQ 6008/6009での設置型信号源に対する接続
    このデバイスは非基準化シングルエンド入力に対応していません

DAQのピン配置を知りたい

MAXを開いてください。
デバイスとインターフェースの使用したいデバイス名のところで、右クリック→デバイスピン配列を選択します。
すると別画面でピン配置が表示されます。

もちろん、DAQに付属のマニュアルやNIのインターネットページからも調べられます。

USB-DAQのデバイス名を変更するには?

MAXを開き、デバイスインタフェースから変更したいデバイスを選択し、右クリックから「名前を変更」を選択します。そして、デバイス名を入力して変更します。

※異なるDAQを使用すると、デバイスとインタフェース欄に接続したデバイス名が履歴として残ってしまうので、削除することもできます。

DAQテストパネルを使用するには

テストパネルは、使用したいデバイスを選択し、テストパネルを選択してください。

テストパネルが出現します。
テストパネルには、選択したデバイスごとに備わっている機能が用意されています。

アナログ電圧を測定したい

例)USB-6212を使用し、AI2で、乾電池の電圧を測定する

DAQのAI2に、乾電池の+側を、AI GNDに、-側を接続します。

USB-6212のテストパネルを開き、アナログ入力タブを選択します。下図の赤枠のボタンを押すと、デバイスに備わっているチャンネルが現れます。そこで、「 Dev 1/ai2」を選択しチャンネル設定します。

入力構成を設定します。初期状態で、差動になっているのですが、ここでは、RSE(基準化シングルエンド)を選択します。

開始を押すと電圧のグラフが表示されます。

アナログ電圧を出力したい

例)USB-6212の AO0から、電圧5Vを出力させ、テスタで測定して確認する。

USB-6212のテストパネルを開き、アナログ出力タブを選択します。下図の赤枠のボタンを押すと、デバイスに備わっているチャンネルが現れます。そこで、「 Dev 1/ao0」を選択しチャンネル設定します。

出力設定をします。出力値欄に5を入力します。赤枠で囲ったところは両方とも連動しているので、ゲージからも設定できます。

設定できたら、更新ボタンを押します。すると、電圧が約5Vテスタで測定されます。(ボタンは、押した瞬間だけ凹みますが、すぐ戻ります。)

※AOの設定した電圧値は、テストパネルを閉じても、DAQとパソコンの接続を切り離さない限り、出力し続けてしまうので、テスト終了後には0Vに戻すことを忘れないでください。

デジタル入出力を使用したい

(例)下の①と②を確認したいとき。

① USB-6212のP1.1で、直列の2つの電池の電圧を入力し、デジタル測定を行う。

  • 電池+側は P1.1
  • 電池-側は GND

② 一つの配線は、P0.4とP2.4をつなぎ、出力と入力が一致するか確認。

  • 出力 P0.4
  • 入力 P2.4

※①の電池の測定について、下記の表のデジタル入力特性のHレベルとなるだけの電圧のある電池を使用してください。上の例では、USB-6212を使用しているので、測定電圧2.2V以上でHighレベルと測定されます。

デジタル入力の特性(USB-6212/6216)

レベル最小最大
VIL入力 LOW電圧
VIH入力HIGH電圧
0V
2.2V
0.8V
5.25V
ILI入力LOW電流(Vin=0V)
IIH入力HIGH電流(Vin=5V)

-10μA
250μA

デジタル入力の特性(USB-6210/6211/6215/6218)

レベル最小最大
VIL入力 LOW電圧
VIH入力HIGH電圧
0V
2V
0.8V
5.25V
ILI入力LOW電流(Vin=0V)
IIH入力HIGH電流(Vin=5V)

-10μA
120μA
①の場合

テストパネルを開き、デジタルI/Oのタブを開きます。下の赤枠のボタンをクリックしてポートを選択します。今回、P1.1を使用するので、ポート1を選択します。(例 P0.0⇒ポート0、P2.3⇒ポート2)

今回は、入力として使用するため、すべて入力側を選択されていることを確認してください。開始を押すと測定を始め、P1.1のport1/line1のLED(下図赤枠の部分)が光ります。
DAQのDI はTTLレベルでH / Lを測定します。電池を外せば、port1/line1の LEDは消えます。

②の場合

ポート名をport0として、使用するP0.4(下図赤枠部分)を出力にします。
すると、青枠のようにHIGH/LOWが選択できるようになります。

下図、青枠のボタンをクリックすることで、H/ L切り替えられます。HIGHに設定し、開始を押します。
これで、P0.4からデジタル出力がHとして出力されました。

次に、入力側のport2をポート名から選択します。
下図のように、P2.4(port2/line4)のLEDが光っていれば、OKです。

確認が終わりましたら、停止してください。

Q. USB-DAQのシミュレータを使用するには?

シミュレータは実機がないときに利用します。
※例として、USB-6218のシュミレーションデバイス(架空のデバイス)を作成します。

デバイスとインタフェース で右クリック → 新規作成を選択します。

新規作成画面が出現しますので、下図赤枠の「NI-DAQシミュレーションデバイス~」をダブルクリックしてください。

下図のNI-DAQシミュレーションデバイスを作成画面が現れたら、検索部分に今回作成したいDAQの型番を入力し、候補でUSB-6218を選択し、OKボタンを押します。
デバイス作成がロード中となりますのでしばらくお待ちください。

ロードが完了すると、USB-6218のシュミレーションデバイスが作成されました。

補足

もちろん実機のDAQと同じようにテストパネルを開くことが出来ます。ただ、何も接続していない状態なので、値の信頼性はありません。ソフトを動かしたいが、実機がないときなどに使用できます。