車載データロガーシステムの最適な選択とは?

~ NI CompactRIO・CompactDAQ・Arduino UNO Q・M5Stackを用途別に比較 ~
自動車業界では、EV(電気自動車)、ADAS(先進運転支援システム)、SDV(Software Defined Vehicle)の普及により、車両から取得するデータ量が急速に増加しています。
開発現場では、CAN/CAN FDデータ、ECU信号、電圧・電流、温度、振動、GPS、IMU、Ethernet通信など、多種多様なデータをリアルタイムに収集・解析することが求められています。
しかし、すべての案件で高価な計測システムが必要というわけではありません。用途や予算、開発フェーズに応じて最適なプラットフォームを選択することが重要です。今回は、ペリテックが提案する4種類の車載データロガーソリューションをご紹介します。
① NI CompactRIO

リアルタイム制御まで行うハイエンドシステム
CompactRIOは、リアルタイムOSとFPGAを搭載した産業用コントローラです。単なるデータ収集だけでなく、高速制御・FPGA演算・ECUとのリアルタイム通信・センサ同期を同時に実現でき、開発用途としては最も高性能なプラットフォームです。
主な活用例
- ADAS評価
- ECU開発
- HILシステム
- EVモータ評価
- インバータ評価
- 耐久試験
特長
- μsレベルの同期計測
- FPGAによる高速処理
- 高い耐振動・耐環境性能
- LabVIEWによる柔軟な開発
- 多チャネル対応
② NI CompactDAQ

高精度計測のスタンダード
CompactDAQは、高精度データ収集に特化したモジュール型DAQシステムです。必要なI/Oモジュールだけを選択できるため、温度・電圧・電流・加速度・ひずみ・音響など幅広い計測に対応でき、「高性能」と「導入しやすさ」のバランスが優れた製品です。
主な活用例
- 車両走行試験
- NVH試験
- バッテリー評価
- モータ評価
- 環境試験
特長
- 高精度A/D変換
- USB・Ethernet接続
- LabVIEW・FlexLogger対応
- モジュール交換が容易
- システム拡張が簡単
③ Arduino UNO Q

AI時代の次世代エッジデータロガー
2025 年 10 月に登場したArduino UNO Qは、従来のArduinoとは大きく異なる新世代プラットフォームです。Qualcomm Dragonwingプロセッサ(Linux/AI担当)とSTM32リアルタイムマイコン(低遅延制御担当)を1枚のボードに搭載することで、Linuxアプリケーション・AI処理・リアルタイム制御を同時に実現できます。CAN/CAN FD、GPS、IMU、SD カード、Wi-Fi、Bluetooth、USB カメラなど幅広いデバイス接続が可能で、研究開発だけでなく小型 IoTデータロガーとしても大きな可能性を持っています。
主な活用例
- 小型データロガー
- AI異常検知
- PoC(概念実証)
- IoTシステム
- 遠隔監視
特長
- Linux(Debian)搭載
- Wi-Fi・Bluetooth標準搭載
- AIアプリケーション開発
- MQTT通信
- OTAアップデート
- Arduino資産をそのまま利用可能
④ M5Stack

手軽にはじめられるIoTデータロガー
M5StackはESP32をベースとした小型IoTプラットフォームです。画面・Wi-Fi・Bluetoothを標準搭載しているため、短期間でデータロガーを構築でき、試作からPoCまで非常に人気があります。
主な活用例
- 社内評価
- 車両モニタリング
- Fleet管理
- IoT実証実験
特長
- 小型・軽量
- LCD搭載
- Wi-Fi標準搭載
- BLE通信
- LTE拡張可能
- 多数の拡張ユニット
4つのプラットフォーム比較
4 製品の特性を、性能・リアルタイム制御・計測精度・拡張性・コストの観点から一覧にまとめました。
要件定義の初期段階で、まずどの軸を優先するかを整理する際にご活用ください。
| 項目 | CompactRIO | CompactDAQ | Arduino UNO Q | M5Stack |
|---|---|---|---|---|
| 性能・処理能力 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| リアルタイム制御 | ◎ | ○ | ◎ | △ |
| 高精度計測 | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| AI処理 | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| FPGA | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
| Wi-Fi / Bluetooth | ○(外付け) | ○(外付け) | ◎(標準搭載) | ◎(標準搭載) |
| CAN / CAN FD | ◎ | ◎ | ○(シールド) | ○(ユニット) |
| 拡張性 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| コスト | 高 | 中 | 中 | 低 |
ペリテックが提供する価値
ペリテックは、単に機器を販売するだけではなく、お客様の開発フェーズや目的に応じて最適なプラットフォームを選定し、システム全体を設計・構築します。
- 研究開発・リアルタイム制御には CompactRIO
- 高精度な試験・評価には CompactDAQ
- AI・IoTを活用した次世代データロガーには Arduino UNO Q
- 低コスト・短納期のIoTシステムには M5Stack
このように、用途に応じた最適なソリューションをご提案できることが、複数プラットフォームを扱うペリテックの強みです。
最後に
車載データロガーに求められる要件は、開発目的によって大きく異なります。重要なのは、「最も高性能なシステム」を選ぶことではなく、「目的に合ったプラットフォーム」を選ぶことです。
ペリテックは、長年培ってきた試験・計測システムインテグレーションの技術力と、LabVIEW をはじめとするソフトウェア開発力、そして IoT・AI技術を組み合わせることで、お客様の課題に最適な車載データロガーシステムをご提案します。
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