NI Connect 2026 Day1 キーノート レポート

Emerson NI の年次カンファレンス「NI Connect 2026」が、2026年5月13〜14日にテキサス州フォートワースで開催されました。本記事では、1日目(5月13日)のキーノートセッションのハイライトをお届けします。

NIアライアンスパートナーとして30年近くの実績を持つペリテックとして、今年のキーノートは特に注目すべき内容でした。AIとテスト・計測プラットフォームの融合という大きな潮流が、いよいよ具体的な製品・機能として現れてきています。

全体テーマ:「テストにおける生産性の新時代」

今年のキーノートの中心メッセージは、AI対応の統合テスト自動化プラットフォームとしてのNIプラットフォームの進化です。

Emerson テスト&計測事業の社長 Ritu Favre 氏はこう述べています

「NIプラットフォームは、テクノロジーの大きな転換点を乗り越えながら常に進化してきました。AIが製品開発を再定義する今、このプラットフォームの適応力こそが際立つ強みです。ハードウェア・ソフトウェア・データ・エコシステムが統合されていることが、真の強みです。」

今年の発表の柱は以下の3点です

  • Nigel AI の大幅拡張と LabVIEW への深い統合
  • NI LabVIEW+ Suite 2026 の新機能(AIコード生成)
  • ユーザー企業によるリアルな活用事例

注目発表①:Nigel AI — テスト特化型 AI アシスタントの全面展開

Nigel AI は、汎用的な大規模言語モデルとは一線を画すテストエンジニアリング専用の AIです。NIの公式ドキュメント、製品データ、LabVIEW の API仕様など、テスト&計測領域に特化したデータで学習されており、一般的な AI チャットボットと比べ、LabVIEW開発に直結した高精度な回答とハルシネーションの低減を実現します。

今回のキーノートで発表された Nigel AI の主な強化点(2026年後半に順次提供予定)は次の通りです。

機能内容
プロンプトベースのコード生成LabVIEW+ Suite に統合。テキスト指示から LabVIEW のVI(グラフィカルコード)を自動生成
ソフトウェアポートフォリオ全体への展開NI FlexLogger、NI InstrumentStudio、NI TestStand、NI SystemLink へ拡張
テストライフサイクル全体の対応開発・再利用・検証・デプロイまで、文脈を理解した支援を提供

Emerson の内部テストでは、Nigel を活用することにより、テスト開発・トラブルシューティングの時間を数日・数時間単位から数分単位に短縮できたと報告されています。

注目発表②:NI LabVIEW+ Suite 2026 の進化

ハードウェア層小型・軽量・省電力を維持しながら多様なシグナルへの高い対応力。精密なタイミング制御と高性能データ転送を実現。
ソフトウェア層動作環境とコンピューティング技術を接続。AIをテストワークフローに自然に組み込める設計。
データ基盤計測データのキャプチャ・管理・再利用を簡素化。チームおよびサイト横断での解析・コラボレーション・長期最適化を実現。
  • CompactDAQ / CompactRIO
  • NI LabVIEW / LabVIEW+ Suite
  • Nigel AI
  • NI USRP(X410 / X420)— ソフトウェア定義無線
  • PXI / PXIe-4311(近日発売予定)
  • PXI ベクトル信号トランシーバー(VST)
  • DIAdem / FlexLogger / TestStand / VeriStand / SystemLink / InstrumentStudio

キーノート登壇企業:リアルな活用事例

NI パートナー企業 JKI が LabVIEW チーム向けのセキュアなテストシステム構築アプローチを紹介。LabVIEWアプリケーションの自動セキュリティ分析ツール「JKI Security Suite」を発表。Amentumとの連携によりソフトウェア中心型テストシステムの未来像も示されました。

鉄道大手 Alstom が AMTRAK 高速列車プロジェクトにおける NI テクノロジーの活用事例を紹介。製品導入支援とRAMS 管理に NI プラットフォームを活用しています。

Chan-Byoung Chae 教授(Underwood 特別教授)が NI USRPプラットフォームを活用した最先端の無線通信研究を紹介。6Gに向けた研究フェーズでの取り組みが共有されました。

NVIDIA Head of Product(Edge Supercomputing)Adam Thompson 氏が登壇。NI プラットフォームと NVIDIA エッジAI の連携について紹介し、テストシステムへの AI 推論統合の方向性を示しました。

ペリテックとしての注目点

Nigel AI の TestStand 展開

LabVIEW だけでなく TestStand への Nigel AI 統合は、ペリテックが手がける製造ライン向けテストシステム開発において、開発工数の大幅削減につながる可能性を持っています。

SystemLink × AIによるデータ活用

SystemLink への Nigel展開により、複数サイトにまたがる計測データの解析・管理が AI 支援で可能になります。ペリテックが提供するシステムの長期保守・運用最適化サービスと高い親和性があります。

USRP × PXI VST の更新

NI USRP(X410/X420)と PXI VST の継続的な強化は、ペリテックが注力する「無線・規格×アナログ統合試験ソリューション」のバックボーンとして重要な強化です。

レポートのまとめ

NI Connect 2026 Day 1のキーノートは、「AI対応テストプラットフォームの本格始動」を高らかに宣言するものでした。Nigel AIのプロンプトベースコード生成、FlexLogger・TestStand・SystemLink への展開、そして NVIDIA や Alstom・YonseiUniversityといった各界リーダー企業による事例は、テスト&計測の世界が新たなフェーズに入ったことを示しています。

ペリテックは NIアライアンスパートナーとして、こうした最新技術をいち早くお客様のシステムへ届けられるよう、継続的にキャッチアップしてまいります。

参考リンク