プログラミングコース08 ー半導体向けAC計測:ファンクション試験ー

プログラム課題

背景

あなたはプログラマです。一緒にプロジェクトに参加している先輩エンジニアから、以下に示す「ファンクション試験プログラム」を製作するよう頼まれました。プログラミングの前段階で用意できているものは、システム構成、要求機能のリストの2つです。

システム構成

要求機能

  1. 検査対象部品としてフォトカプラを使用し、電気的特性検査として発行側順電圧検査プログラムを作成する。
  2. ファンクション試験としてスイッチング(ON/OFF)の動作確認を行うプログラムを作成する。

プログラミングの実践

プログラミング講座08 サンプルVIをダウンロード

用語

SMU(Source Measure Unit)

ソースメジャーユニット(SMU)は、高精度に電圧/電流を供給すると同時に電圧/電流を測定できます。

NI PXI-4130 SMU Specification

ChannelOutput FunctionRangeResolution
ch0Voltage+6V0.12mV
Current1A0.02mA
ch1Voltage±20V 0.33mV
±6V 0.1mV
Current2A100μA
200mA10μA
20mA1μA
2mA100nA
200μA10nA

製作の流れ

STEP1:発光側順電圧:データシートを確認する

発光側:
順電圧VF(最小=1.0V、標準=1.15V、最大=1.3V)
測定条件IF=10mA

フォトカプラの回路略図

STEP2:発光側順電圧:サンプルプログラムを検索する

DCPOWERでサンプルを検索する
NI-DCPower Source DC Voltage.viのダイアグラム
動画:発光側順電圧:サンプルプログラムを検索する

STEP3:発光側順電圧:検査プログラムを作成する

  • 電圧レベルを0.4Vの定数に変更する
  • 電流制限を50mAの定数に変更する
  • 電圧レベルレンジを1.6Vの定数に変更する
  • 電流制限レンジを50mAの定数に変更する
  • Forループを追加し0.4Vから0.01ずつ増加して1.6Vまで電圧と電流を計測する。計測の前に20msecの待ち時間を入れておく
  • 計測した値(電流は1000倍してmAにする)をXYグラフに表示する
  • 計測した値からVF値を算出する
  • 最後にDCPOWER ResetとCloseを実行する
電気的特性検査.viのダイアグラム
動画:発光側順電圧:検査プログラムを作成する①
動画:発光側順電圧:検査プログラムを作成する②

STEP4:発光側順電圧:検査プログラムを実行する

PXI-4130にブレッドボードを使用して素子を接続し、検査プログラムを実行してみましょう。

VF算出VIのブロックダイアグラム
動画:発光側順電圧:検査プログラムを実行する

STEP5:ファンクション試験:
データシートを確認して検査回路を考える

  • 発光側は、ON時5Vの電圧を印加してIF=16mAとする
  • 受光側は、5Vの電圧を印加しておき、電流リミットを10mAとする。
  • 受光側は、ON時、10mAの電流が流れ、電圧は1.9Vに降下する。
  • PXI-4130のch0を発光側とし、ch1を受光側とする
動画:ファンクション試験:データシートを確認して検査回路を考える

STEP6:ファンクション試験:検査プログラムを作成する

  1. ch0をDC電圧に指定し、電圧レベルを0V、電圧レベルレンジを5Vに指定する
  2. ch0、電流制限および電流制限レンジを20mAに指定する
  3. ch1をDC電流に指定し、電流レベルおよび電流レベルレンジを10mAに指定する
  4. ch1、電圧制限および電圧制限レンジを5Vに指定する
  5. Forループを追加し20msecの待ち時間を入れてch0とch1の電圧を5回計測する
  6. ch0の電圧レベルを5Vに変更する
  7. Forループを追加し20msecの待ち時間を入れてch0とch1の電圧を5回計測する
  8. 判定値のデータを取り出すサブVIを作成する
  9. 最後にDCPOWER ResetとCloseを実行する
ファンクション検査.viのダイアグラム
動画:ファンクション試験:検査プログラムを作成する

STEP7:ファンクション試験:検査プログラムを実行する

PXI-4130にブレッドボードを使用して素子を接続し、検査プログラムを実行してみましょう。

IF_VCE判定値VIのブロックダイアグラム
動画:ファンクション試験:検査プログラムを実行する

ポイントのまとめ

  • 検査対象部品のデータシートを確認して検査項目と検査方法を検討する
  • 電圧あるいは電流の開始・終了およびステップ値が検査速度と検査制度に影響する
  • DCPOWERでサンプルプログラムを検索し、検査プログラムの検討を行う
  • サンプルプログラムを改造して検査プログラムを作成する
  • 電圧あるいは、電流の計測結果をもとにOK/NG判定データを算出するサブVIを作成する

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