多くのメーカー・施設が望む省スペース・低コストなEMI評価(ノイズ評価)装置の開発
電子機器の小型・高密度集積化実現に向けた近傍電磁界測定システム
クライアント名・業種:太陽誘電株式会社 様
導入システム・製品:電磁界測定システム
ご依頼の背景
電子機器製品へのノイズの影響が近年、大きな問題となっています。特に高い環境性・安全性が求められる自動車部品や医療機器には、ノイズ対策が不可欠。ものづくりにおける国際競争力向上のために、小型・低コストで高機能を持つ近傍電磁界システムの開発を望む電子機器メーカーが増えています。そうしたニ-ズに応えるため、太陽誘電株式会社様と多種におよぶメーカー・機関へご提供するシステム構築を共同開発することになりました。
導入前の課題と当社から提供したソリューション
大幅な省スペース化の実現
課題
電波暗室はそもそも、通常で3m×3mもしくは10m×10m×10mという巨大な設備.設置はもとより作業効率にも影響があるため、卓上でも測定ができるようコンパクトな設計が求められました。
ソリューション
電波暗室を使わないシステム構築により、大幅な小型化を実現。1m×1m×1m以下という非常にコンパク卜なサイズで設計ができたため、卓上での測定も可能になりました。これにより設置場所を選ばず、高い作業効率も実現しています。
低コストの近傍磁界測定システムを開発
課題
近傍電磁界測定システムの建設費用は、1棟につき小規模のもので2億円、大規模なものでは10億円にもおよぶケースがあるなど、高額であることが当た前。そのため、低価格化の実現が期待されていました。
ソリューション
システムの構成変更や省スペース化に伴うコスト削減により、従来の約1/10以下まで価格をおとすことに成功しました。精度の高さを保ったまま最終段階でのEMI対策を減らすことができ、それが導入費用の大幅削減にもつながっています。
開発途中でも設計変更可能に
課題
近傍電磁界測定による従来の検査測定は、最低でも3日間という長い時間を要します。さらに、値が基準に達しない場合は設計段階まで戻らなくてはならず(開発最終段階での評価のため)、これが大きなネックとなっていました。
ソリューション
まずは検査測定にかかる時間を数十分へと大幅に短絡さらに設計試作段階での評価桐能となり、途中段階での設計変更ができるようになりました。設計段階で評価できるため、設計変更などの手戻りのリスクを減らし、時間や手間の削減に貢献しています。
導入効果のまとめ
省スペース・低コスト化の実現
途中段階での設計変更が可能に
波暗室リプレイス市場の誕生
従来、電子機器の設計段階では実施されなかったとEMI評価(ノイズ評価)。その理由は、設計マージンを設ける必要性にありました。さらに製品の最終段階で行う評価であることから、設計変更が発生した際にかかる時間やコストも大きな要因でした。本開発によってEMI評価装置は大幅な小型化・低コスト化が実現したため、電子機器の小型・高密度集積化の促進や電波暗室のリプレイスに伴う新たな市場の発生が予想されます。
システム概要
- NI PXIe-5665:高性能RFベクトル信号アナライザ