7.電圧測定|電気電子の基礎講座

みなさんこんにちは!

計測に必要な電気・電子の基礎講座へようこそ。

今回は、電圧測定の実践編になります。

もしも並行して測定を行う場合、感電や事故などには十分注意しましょう。

それでは、始めます。

測定の実践

過去の章では理論的な話が続きましたので、ここで実際に測定をしてみましょう。

測定方法がよくわからない方や、お手元に機材のない方はこの項目を飛ばしても大丈夫です。

では、やっていきましょう。

12Vの電圧源に、10KΩの抵抗が2本直列に繋がっています。

片方の抵抗を抵抗Rとしましょう。

回路には電流が流れていますので、抵抗Rには電位差が見られるはずです。

その電位差、すなわち電圧を測定してみましょう。

解説

先ほどの電圧を測定する方法と、得られるであろう結果を説明します。

抵抗Rの電圧を測定するには、電圧計を抵抗Rに並列に接続します。

この回路は、12Vの電圧源に10KΩが2本直列、すなわち20KΩが繋がっています。回路の電流は0.6mAです。

抵抗Rに生じる電圧は(E=IR)、つまり0.6mA×10KΩは6Vと計算されます。

さて、上の項目で測定していただいた方はもうお気づきでしょうが、実際の測定値は上記の数値とは違ったはずです。

なぜならば、電圧計に流れる電流は0Aではないからです

つまり、電圧計自体も抵抗器と考えられます。

電圧計を繋いだことによって回路が変わり、測定値に影響したのです。

このことからわかるように、電圧計自身の抵抗はできるだけ大きい方が測定値への影響は少ないのです。

前回の講座でも解説しましたが、一般的にアナログ計は測定電流が大きく、デジタル計は小さい傾向にあります。

しかし、機器によって詳細は変わってくるため、使用する前に取扱説明書をよく読んで仕様を確認することを心掛けましょう。

アナログ電圧計の仕組み

一般的なアナログ電圧計は可動コイル式で、電流による磁力で針を動かします。

仮に1mAでフルスケールになるメーター(①)を用意したとしましょう。
※フルスケール…振り切れること

コイル抵抗は小さいので0Ωと仮定します。

このメーターを使って15Vでフルスケールとなる電圧計を作るには、メーターと直列に15キロオームを接続すればよいのです(②)。

このとき、電圧計の内部抵抗は15KΩとあらわすことができます。

内部抵抗が無限大の理想電圧計記号を用いた等価回路図は、理想電圧計に15KΩが並列に接続されます(③)。

この電圧計の内部抵抗15KΩをさらに大きくするにはどうしたらよいでしょう?

答えは、フルスケール電流がもっと小さいメーターを使用することです。

そして内部抵抗を無限大にできるのは、フルスケール電流が0mAのメーターです。

しかし、これは0mAで磁力を発生することと同意ですので、実際には不可能となっています。

まとめ

今回は、電圧測定の理論と電圧計の仕組みについてお話ししました。

内容を理解していただけたでしょうか。

電圧測定は全ての計測の基本になりますので、エンジニアを志す方は必ずマスターしてください。

それではまた次回。